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 この連載を始めてから6年目に突入した。初回を振り返ると「ネチケット」という古い概念を紹介し、しばらくはメールに関する話題を展開していた。当時ネットでのコミュニケーションというと、まずはメールだったからだ。もちろん掲示板やSNSなどほかにもあったものの、仕事で使うことを考えると、最初に出てくるのがメール。ビジネスパーソンなら確実かつ効率よく情報を伝えるための工夫や配慮は必要だ。

 例えばメールのタイトルなら、本文の内容を端的に表示しておいた方が望ましい。本文を開いて最後まで読まないと趣旨が分からないメールでは、読み手の負担が増えて時間を浪費してしまう。また送り手にとっては、大事な用件が見逃されるというリスクを抱えることになる。単なる参考程度の情報提供ならまだいいが、依頼や重要な報告が見過ごされてしまっては差し障りが出る。そこでメールのタイトルで概要を宣言し、もし返事が必要なら【要返信】と付けるなど、工夫や配慮が必要ということだ。

 今思うと、それだけ当時多くのメールを抱えていたのだろう。こうした必要性というのは処理量に比例して高まるのではないかと思う。

 「大量に行き交うようになるとマナーが重要視される」と改めて実感したのが震災直後のTwitterだった。震災直後はありとあらゆる情報が飛び交った。いくら重要性が高くても、緊急時だったので非効率な情報拡散が相次いだ。避けるべきとされたのが、「非公式RTは避けること」というもの(参考記事)。緊急事態が過ぎ、今はまた緩やかに戻っているところだが振り返ればそういうこともあった。

 メールにしろ、Twitterにしろ、シンプルゆえに親しみやすい。メールなら基本的には宛先、タイトル、本文に記入して「送信」するだけ。場合によってはファイルも添付できる。はがきから小包まで運べる郵便のように、メールは万能だった。しかしメール以外の手段が増えてきて、メールは前ほど主流ではなくなりつつある。実際、この5年間を振り返るとメールにかける時間はかなり減った。

 もちろんまだメールは現役である。使わない日はない。しかし短文ですむ連絡はTwitterやメッセージに置き換わり、何度も議論が行き交うような重いやりとりはグループウエアなど、いろんなものに置き換わっている。メールにかける時間は減って、その代わり、違うところで時間が増えているので、結局のところいろんなやりとりにかけるトータルの時間はあまり変わらないのではないかという気もする。