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電子黒板の整備状況。2011年3月1日時点で約6万台が小中高、中等教育学校、特別支援学校に配備されている(「平成22年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」文部科学省のWebサイトより)
電子黒板の整備状況。2011年3月1日時点で約6万台が小中高、中等教育学校、特別支援学校に配備されている(「平成22年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」文部科学省のWebサイトより)
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 2009年の「スクール・ニューディール」構想により、学校現場に電子黒板が大量に導入されました。約2000億円の国庫予算が補助金として使われ、教育施設の充実が図られる中でICT環境の整備も積極的に進みました。ところが、整備の途中で政権交代が起き、かの“仕分け”により補助金は政府に召し上げられてしまいました。しかし、ある程度の補助金は真っ先に手を挙げた教育委員会で利用されることになり、その地域にある学校のICT環境が一気に整備されました。特に、電子黒板については、2010年(平成22年度)末の実態調査では、2万5000校に6万台余りが整備され、「平均値」としては1校に2台以上が配備された形になりました(「平成22年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果【速報値】」)。実際には、1台も配備されていない学校も多く、その一方で、学年に1台とかいう形で整備し、積極的に使い始めた学校も少なくありません。

 今回は、電子黒板が小学校とそれ以降の学校環境で、どのように使われているのか、それぞれどのような課題があるのか、最近目にした電子黒板のある風景の中で感じたことを紹介しましょう。

電子黒板と従来の黒板~デジタルとアナログの併用

 小学校でも中学校でも、電子黒板と従来の黒板の併用が重要だということは共通しています。テレビ型の一体型電子黒板を使って、先生は、子どもたちが理解したことを通常の黒板を使ってまとめます。上手に電子黒板を活用している先生は、授業中、電子黒板と通常の黒板との間の行き来をよく行います。これによって、子どもたちは、先生が電子黒板を“補助的道具”として使っていることを自然に察するようです。

先生は電子黒板と通常の黒板との間を行き来して授業する
先生は電子黒板と通常の黒板との間を行き来して授業する
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 中学校ではこの併用がより重要な意味を持ちます。電子黒板に表示される説明や画像は理解を助けるものですが、必ずしも知識の定着には直接つながりません。知識を定着するには、それを自分のものとして自らの手でノートやワークシートに記録する作業が必要です。電子黒板に表示された内容をノートに“写す”よりは、黒板に先生がまとめた内容をノートに“取る”方がはるかに自然な作業です。プレゼンテーションのスライドをめくりながら「講義」のような授業になりがちな先生がいますが、子どもたちにとって大切な知識の定着には従来のスタイルが欠かせないというわけです。

 高校進学や大学進学の予備校でも、一部で電子黒板を積極的に取り入れて、デジタルとアナログをうまく併用して知識の定着を図っているようです。