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 2012年6月27日付で、パナソニックの新社長に就任した津賀一宏氏が、その翌日となる28日、都内で報道関係者を対象に記者会見を行った。

 会見では、2011年度に過去最大となる7721億円の最終赤字を計上したことや、テレビ事業が1000億円規模の営業赤字となったことなどを受け、今後の経営体質の改善などを中心に言及。「目指す姿は高収益企業だが、まずはパナソニックを普通の会社に戻すこと」、「テレビはもはやコア事業ではない」といったように、津賀社長流の言葉で今後の事業の方向性を説明した。

 そうした中で、津賀社長が言及したのが、「Let's note(レッツノート)」および「TOUGHBOOK(タフブック)」による同社PC事業。しかも、この事業に対して高い評価を寄せているのだ。

 津賀社長は、「いまパナソニックがやらなくてはならないことは、もう一度原点に帰り、お客様価値を徹底的に追求すること。本当にお客様が見えているのか、ライバル企業よりもお客様のお役に立てているのかという点で反省がある」としながら、「1つひとつの事業が、お客様に向き合う姿を全社において実現しなくてはならない。グループを俯瞰してみると、すでにお客様にきっちり向き合っている事業がある。そのひとつが、TOUGHBOOKやLet's noteなどのITプロダクトビジネスユニットである。これらの部門は、大変活気があり、高収益となっている」と語った。

「顧客にきちんと向き合っている事業」として、TOUGHBOOKやLet's noteなどのITプロダクトビジネスユニットを挙げる、パナソニックの津賀一宏新社長。
「顧客にきちんと向き合っている事業」として、TOUGHBOOKやLet's noteなどのITプロダクトビジネスユニットを挙げる、パナソニックの津賀一宏新社長。
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 パナソニック全体の中で、PC事業は決して主流ではない。そして、事業規模も決して大きくはない。

 「新幹線シェア」という言葉で表現されるように、出張者が多い新幹線車内、空港などでLet's noteを利用している人は数多く見かけるが、年間出荷台数は、2011年度実績で74万台と、100万台を切る水準にとどまる。また、事業規模は公表していないが、1000億円が事業として認められるラインという不文律があるパナソニックにおいては、その規模にははるかに及ばない。

 そして、他のPCメーカーとの出荷規模で比較すれば、その差が歴然であることがわかる。世界トップシェアの米ヒューレット・パッカードの年間出荷台数約6200万台と比べると約1%、国内メーカーで最大の出荷台数を誇る東芝の1900万台に比べても約25分の1という規模にとどまる。

 桁が1つ、場合によっては2つ近く違うのだ。しかし、パナソニックの中では、いまこれが重視される事業になっているのである。