koboに使われているのは、「電子ペーパー」だった…
いやはや、前回のkobo Touch(以降「kobo」)の記事で、koboの画面を「液晶」と表現してしまったが、正確には「電子ペーパー」というものらしい。ある読者さんの指摘で気が付いた。すっかり液晶だと思い込んでいた筆者、混乱させちゃって、ごめんなさい。
さて、koboにも使われている電子ペーパー、Wikipediaを見るとこんな感じ。
その代表的な「電気泳動方式」という方式は、「白色と黒色の粒子を流体を収めたマイクロカプセル中で電界によって移動させることで白と黒の表示を行なう」という。しかも「画像保持の為の電気は全く必要とせず、画像の書き換え時にも少しの消費電力で済む」。安価で作れて低消費電力、そして薄型で済む、視野角も広い、などが特徴。
koboを入手して、スリープしても電源を切っても、ずっと画面表示が消えないのを目新しく思っていた。表示しているだけなら電気は全く食わない、というあたりがユニークで、いろいろと使い道がありそう。
あと、「広い視野角を持ち、白黒の活字印刷のようなコントラストの強いモノクローム表示には最適であるが、白黒の中間調では一度白黒を反転させて以前の残像を消す必要から画像更新時間は単純な白黒画像に比べて2倍以上の時間が掛かりスクロール表示には向かない」。活字の並んだ白黒2階調の画面を1ページずつ表示しつつ文章を読む。つまり「書籍」に大いに向いている、というわけだ。
携帯端末が大好きな筆者、今までPalmとかザウルスとかカシオペア、はたまた電子手帳、電子辞書、携帯電話などなど、モノクロ液晶の端末をいろいろ使ってきたが、これらモノクロ液晶とkoboに使われている電子ペーパーは、通りで動きが違う感じがしたわけだ。
電子ペーパーの歴史は長く、発明は1970年代。そう言えば、いろいろなタイミングで電子ペーパーのニュースを目にしてきた記憶はある。それらのニュースで見聞きした電子ペーパーが、今こうして電子書籍リーダーに採用されているわけで、そのあたりの知識がひとつにつながり、感慨深い。
この電子ペーパー、電子書籍だけではなく、ポップ/看板、各種プレート、さまざまな機器、最近ではデータ配信を含めたデジタルサイネージなどにも使われたりしているらしく、技術的にも進んできているらしい。もちろん、モノクロだけではなく、カラーの電子ペーパーの開発も行われている。
電気泳動方式を開発した米E Ink社の流れをくむ凸版印刷の電子ペーパーサイトが、いろいろまとめていて分かりやすい。
そう考えると、低消費電力でペーパーレス、低価格で軽くて扱いやすく維持費も安くて済むので、環境にもユーザーにもやさしいのがなかなかいい感じ。しかもデジタルゆえに、前回のkoboの記事にも書いたように、たくさんの情報を保存したり、PDFやテキストを表示したり、検索や翻訳、ネット接続などができたり、さまざまな可能性や夢を感じさせてくれる。
そんなステキな電子ペーパーという技術があってこその電子書籍リーダー。とりあえず、いろいろ調べてひとつ利口になった筆者なのであった。