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 かつては、無料のWebメールサービスは、迷惑メールの温床のように見られていて、Webメールサービスのドメインからのメールをすべて迷惑メール扱いするようなことが行われていました。当時は、インターネットの定額接続も限定的で、ダイヤルアップで接続するユーザーが多く、迷惑メールの処理でみんなが頭を悩ませていた時代です。夜11時からの「カケホーダイ」時間になると、接続を開始しましたが、アクセスポイントはつながらない、つながってもインターネット接続プロバイダー(のサーバー)が混雑しているような状況でしたが、メールソフトを使い、プロバイダのPOPサーバーに接続してメールをローカルにダウンロードしていました。

 そんなとき、迷惑メールはかなり深刻な問題でした。メールのアクセスに時間がかかり、時間帯によっては、従量制で料金がかかるのに、いらないメールまでダウンロードしてしまうからです。すでに、迷惑メールを送る業者がいて、入手した名簿などを使って、企業などから宣伝メールを受託して送信することが行われていました。なかには、個人事業も相当あったらしく、送信元を隠すために無料のWebメールサービスがかなり使われていました。特に、日本人に対して、英語の迷惑メールが、著名なWebメールサービスから大量に送られていたため、Webメールサービスのドメインから送信されるメールをフィルタリングするユーザーも結構いたのです。

 かつては、就職するなら携帯電話やWebメールサービスのアドレスではなく、ちゃんとしたメールアドレスを取れ、といったことが言われていました。携帯電話では、長文のメールや添付ファイル付きのメールが受信できず、すぐにメールボックスがいっぱいになってしまうといった問題がありました。また、プロバイダーのメールアドレスは、インターネットにちゃんと接続できている証拠でもあったのです。

 こうした風潮が大きく変わったのは、インターネット接続がダイヤルアップから常時接続になり、定額アクセスが可能になった頃です。ADSLなどの高速接続が可能な、いわゆる「ブロードバンド」時代となり、迷惑メールを受信してしまうコストがかなり小さくなりました。また、フィルタリング技術も向上しました。

 マイクロソフトが運営するHotmailは、Webメールサービスでは比較的早くスタート(1996年スタート、1997年にマイクロソフトが買収)しており、一般ユーザーのインターネット利用に合わせて利用者を拡大してきました。面倒な設定が不要で、Webブラウザーだけでメールが受信できるというのが大きなメリットだったのです。

 これに対してグーグルは、2004年にGmailを開始します。GB単位のメール保存容量を提供し、迷惑メールのフィルター機能を装備するもので、開始するとすぐに多くのユーザーを獲得しました。