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 iPhoneやiPad、Macなどで再生中の音声や画面をそのまま別の再生機器に送るAirPlayという機能、実によくできていて使うたびに、便利だなあと感心する。iOSデバイスやMacまたはAirPlay対応の機器をお持ちでない方は体験できないので、この面白さはなかなか広まっていないようだ。また、アンドロイドOS組み込み機能としてまだマネされていないので、今のところこの楽しみはアップルユーザーだけに許された特権と言えるだろう。

手元の非力マシンが強力再生装置に

 例えば、iPadに花火大会を撮影したフルハイビジョン映像を納めて観賞していると仮定しよう。最新のiPadなら、Retinaディスプレイのおかげで細部まで精細に表示できるから、かなり満足な結果が期待できるが、こと花火となると表示画面サイズも音響も物足りなく感ずるだろう。そんな時、Apple TVへAirPlayすれば、リビングルームに備え付けた大型ディスプレイ装置とオーディオ再生装置からドカンドカンと大迫力の音響付きで動画が堪能できる。しかも、ケーブルなど追加のアイテムを一切使わなくてもよいのがとても気分がいい(図1)。

図1 iPhone 4SやiPad(第3世代)で1080pのフルハイビジョン動画が簡単に撮影できるようになった。こうした映像をiPadのRetinaディスプレイで見てもよいが、やはり、ド迫力のオーディオ、100インチクラスのHDプロジェクターで見てみたい。そんな時には、Apple TVにAirPlayすれば、すぐに望みがかなう。面倒な配線もいらない、コントロールは手元ですべてできる。実に快適なAV視聴環境が出来上がる。
図1 iPhone 4SやiPad(第3世代)で1080pのフルハイビジョン動画が簡単に撮影できるようになった。こうした映像をiPadのRetinaディスプレイで見てもよいが、やはり、ド迫力のオーディオ、100インチクラスのHDプロジェクターで見てみたい。そんな時には、Apple TVにAirPlayすれば、すぐに望みがかなう。面倒な配線もいらない、コントロールは手元ですべてできる。実に快適なAV視聴環境が出来上がる。
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 iPadは無線LANでネットワークにつながっているだけだが、ハイビジョン映像が難なく再生できるのには驚く。実は数年前まで、フルハイビジョン映像をネットワークで転送するのは、なかなか難しい高度な技術だったのに、本当に難なく再生できるのには感心する。Apple TVは接続したEthernetのLANケーブルを抜くと自動的に無線LANに切り替わるのだが、その送信側・受信側の機器双方が無線LAN接続であっても正常に再生できる。ただし、画面をよくよく見ると、動きの激しい画面になるとふわーっとぼけてしまったり、何枚かスキップしているのが分かる。映像はロスレスで「生の映像」を送っているのではなく、映像を間引く仕掛けが入っている。しかし、全体的にハイビジョンパネルにしっかりとした画像を送っているのは確かで、一般の視聴者には十分美しいと感じさせるレベルに仕上がっている。たまにネットワークスピードが落ちてしまった時には、送信がストップしてしまうこともあるので、固定機器側は有線接続しておいた方がいい。

 一方、音声の方はオリジナルのデジタルデータをAirPlay 機器に送り付け、音響機器側でD/A変換しているので、極めて高音質の再生が楽しめる。オーディオデータとして5.1チャンネルサラウンドの音声が入っている場合には臨場感あふれるサウンドに包まれる。花火大会のあの、腹にズーン、とくる大音響も見事に再現され、iPad(あるいはiPhone)からこんなAV再生が楽しめるのか、と感動すること請け合いだ。