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 最近、スマートフォンと連動できる家電製品が増えてきました。メーカーの表現を借りれば「スマート家電」というべきなんでしょうか? とりあえず、ほかに用語もないので、「スマート家電」という名称を使うことにしましょう。

 スマートフォンと連動するから「スマート家電」なのか、「スマート」な家電なのか。ただ、家電製品は、以前から、コンピューターとしての能力を欲していたのは確かです。筆者が子供の頃の家電は、もっと単純でした。ゼンマイ仕掛けのタイマーや、温度が上がると金属板が反って接点が切れる「バイメタル」などの単純な仕掛けが家電を制御していました。

 マイクロプロセッサーの登場は、家電製品の性能や作業の質を向上させました。なぜなら、これまで単純なオン/オフしかできなかった家電が、周囲や自身の状況に応じて動作でき、ユーザーの好みに応じて動作できるようになりました。「始めチョロチョロ、なかパッパ」といった火力の制御も簡単に行えます。最近では、各種のセンサーが搭載され、量やヨゴレ具合に応じて動く食洗機や洗濯機のようなものまで登場しています。

 しかし、あくまでも家電。同等の性能なら価格低下、あるいは価格を維持して性能向上させるかの、どちらかを選ばねばなりません。ところが、マイクロプロセッサーは、急激に進歩し始め、今ではコンピューターの主流といってもよく、スーパーコンピューターでさえマイクロプロセッサーを組み合わせて作ります。

 こうしたマイクロプロセッサー、特にパソコンなどで使われる高性能なプロセッサーの進歩は、家電などに組み込まれるマイクロプロセッサーである「マイコン」や「コントローラー」との性能差を大きく広げました。家電、特に白物と呼ばれる家電製品に組み込まれるプロセッサーは、コストの関係などもあって、パソコンと同じものではありません。組み込みに特化しており、リアルタイムにモーターなどを制御できるものの、WindowsやLinuxなどが動くほど本格的なコンピューターとしての機構(たとえば仮想記憶機構など)を持っていません。

 そして、世の中はインターネットが普及し、いまや「電気、水道、ガス、携帯、インターネット」と言われるぐらい、我々の生活にとって重要なものになりました。しかし、インターネット接続には、かなりのCPUパワーを必要とします。いまや、パソコンの中で、メモリーやCPUの処理時間を一番占有しているのはWebブラウザーです。数GHzという、筆者が子供の頃には夢のような速度で動くコンピューターが、一番手間をかけているのがWebブラウザーなのです。こうなると、家電にとってのインターネット接続は、さらにまた夢になります。