韓国のキャリア3社、KT、SKテレコム、LGU+は、2012年12月26日より合同で「JOYN」という統合メッセージサービス(RCS:Rich Communication Suite)を始めた。
JOYNは、加入者同士でチャット、LTE基盤音声通話(VoLTE)、テレビ電話を利用できるアプリである。グループチャットに加え、位置情報、映像、写真が共有できる。スマートフォンとPCの両方から使えるので、外回り中に会社からスマートフォンやタブレットPC宛に大容量(100MBまで可能)のファイルを送ってもらうとか、スマートフォンで撮影した動画をPCに送信して一緒に見ながら通話するといった機能はとても便利だ。しかし、ここまではLINE、カカオトークと同じサービスで、JOYNに乗り換える必要性が全く見えない。
違いがあるとすれば、既存のアプリ経由の音声通話は音質が不安定で、通話の途中で切れたり時々つながらなかったりすることがあるが、JOYNはキャリアが提供するアプリなので、いつでも安定的に高音質で通話ができることだろうか。また、韓国のユーザーは「知らない人を友達として推薦されるのは不愉快」という人が多いので、JOYNはあえて友達をおすすめしないことにした。セキュリティとプライバシーを守りながら利用できるメッセージアプリ兼SNSを目指している。
しかしLINEとカカオトークは無料で利用できるが、JOYNは2013年5月までの6カ月間のお試し期間だけ無料で、その後は有料になる。定額ではなく、メッセージ送信1件ごとにいくら、といった課金にしようとしている。JOYNがどんなに音質がきれいで便利だろうが、「有料ならいらない」というユーザーがほとんど。ネットでは評判がよろしくない。
さらに、キャリア3社がLINEとカカオトークに対抗するためJOYNを始めたというニュースのコメントには、「やっと軌道に乗ったベンチャー企業のアプリを大手企業が乗っ取ろうとしている。JOYNは新しいサービスというより中小企業つぶしにすぎない」、「大手企業は大手らしくもっと技術開発に投資して、新しいことをすればいいのに。キャリアがどんなことをしても、無料のLINEとカカオには勝てない」と批判的な意見が多数書き込まれている。