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 PC Online編集のIさんから薦められていた「JIN -仁-」が、2013年1月2日と3日にTBSで長時間にわたって再放送された※1。初回の放送は、ほとんどを見逃していたので、お正月にパソコンをパチパチとやりながらテレビ鑑賞するつもりになったのだけれど、原作もさることながらドラマの出来も上々で、すっかり見入ってしまった。

 心に響く深い感動を与えてくれた「JIN -仁-」なのであるが、江戸時代が舞台のこの作品は、情報社会に暮らす私たちに、新しい生き方を教えてくれているようである。

 情報社会について論じようとすると、デジタルの性質ばかりに気を取られてしまうことがある。けれども、その中で暮らす人々に焦点を当ててみると、デジタルの性質によって急速に変化する人間の姿が浮き彫りになる。

 例えば、こんな問題が情報社会では頻繁に起こる。

 オバマ大統領が、財政の崖に直面し、どのようにこの問題を回避するのか、世界中が注目している。歳出を削減すれば、景気の悪化を招くし、歳出を削減しなければ、国家財政を立て直すことはできない。マーケットは当面の先延ばし策に一喜一憂しているが、先に延ばせば延ばすほど、この矛盾はより強く顕著なものになり判断を難しくするだろう。

 デジタル以前の社会なら、単純に国家経済の成長だけを考えていれば良かった。けれど様々な情報は、経済性のみを追求することが社会の不安定をもたらし、同時に、一国の財政の不安定が国際経済の不安定を招くことを明らかにしている。情報のコピーも伝達も光の速さで実現するデジタル技術に支えられた現代社会は、自分だけがうまく行けば良いという姿勢を許さなくなりつつある。