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 Windows RTはWindows 8と比べると、まだまだ「謎」の部分が多いようです。「謎」というよりは、Windows 8とは違うことがあまり理解されていないようです。確かに見た目は同じで、システムプロパティでも見ない限り、違いは分かりません。このWindows RTも、Windows 8同様、何回もアップデートが行われ、ある程度安定してきたようです。

 このWindows RTとWindows 8の最大の違いは、

動作するアプリケーションはWindowsストアからインストールしたアプリのみ。

 ということです。もちろん、標準で付属してくるアプリケーションは動作します。基本的に付属アプリケーションという点では大きな違いはありません。

 動くのは、Windowsストアから入手できるアプリのみで、デスクトップ環境(従来のWidnowsの環境)では、サードパーティのアプリケーションのインストールも実行もできません。ファイルをコピーして実行させることもできないのです。これは、CPUがARMプロセッサーで違っているという点が大きく関わります。

 サードパーティのドライバーなどもインストールできません。利用できるのは、Windowsで「ボックスドライバ」と呼ばれる範囲のデバイスドライバーのみで、最初から組み込まれているものか、Windows Updateで入手できるもののみです。Windowsストアはデバイスドライバーの配布はしないので、実質上、デバイスドライバーを組み込むのは不可能であるため、ボックスドライバの範囲で対応できないデバイスは利用できないといってもいいでしょう。

 さらに言えば、マウスやキーボード、プリンターなどは、「標準ドライバ」と呼ばれる範囲での対応になり、特定のデバイスのみに装備されている機能などは利用できません。例えば、6つめ、7つめのボタンがあるマウスでは、これらの特有のボタンが利用できないのです(5ボタンまでは対応)。もちろん、ボタンの機能を設定するユーティリティもインストールできないのですから、機能の割り当てなどは利用できません。

 また、デスクトップでアプリケーションがインストールできないということは、かな漢字変換の日本語IMEもインストールできないということです。なので、標準添付のMS-IMEを使うしかありません。ここは、人によっては譲れないところかもしれません。

 では、どんなデバイスが使えるのか? というと、これについては、マイクロソフトが用意している「Windows互換性センター」で調べることが可能です。

https://www.microsoft.com/ja-jp/windows/compatibility/win8/compatcenter/home

 ここで、ページ右上のボタン(写真1)で、「Windows RT」を選択し、その下にある「デバイス」のリンクを開きます(写真2)。よほどマイナーなデバイス、古いデバイスでもない限り、ここにデバイスが登録されているはずです。

 このほかにもいくつか違いがあります。例えば、コントロールパネルのアイコン(アプレット)の数が違っています。これは、Windows RTには搭載されていない機能(例えば記憶域など)や、不要な機能(パフォーマンスの情報とツール)などがあるからです。

 この点で見ると、Windows RTは、タブレット専用のWindowsという感じがしないでもありません。では、Windows RTは簡易版なのでしょうか?

互換性センターでWindows RTの互換性を調べるには、ページ右上のリストボックスで「Windows RT」を選択する。
互換性センターでWindows RTの互換性を調べるには、ページ右上のリストボックスで「Windows RT」を選択する。
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その後、デバイスのリンクを開く。
その後、デバイスのリンクを開く。
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デバイスの各ページでは、記号により互換性の有無と状態が分かる。例えば、複合機は、印刷にのみ対応で、スキャナー機能などを利用できない。
デバイスの各ページでは、記号により互換性の有無と状態が分かる。例えば、複合機は、印刷にのみ対応で、スキャナー機能などを利用できない。
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