「いまの若い人は新聞読まないんだってね。どうしているのかなあ」
少し前に年配の方からそう言われた。新聞を読まない日常は想像しがたいらしい。批判的というよりは、純粋に不思議に感じているようだ。
情報収集のあり方は近年ますます個人差が広がっているように思う。このときは年配の方から言われたが、パソコンやスマートフォンを駆使する年配の人もいるので世代格差ととらえるつもりはない。
従来の情報収集方法、つまりニュースをどう知るかというと、新聞やテレビが中心だった。冒頭の人がまさしくそう。朝刊と夕刊を毎日必ず読み、決まった時間にニュースを見る。パソコンも使うが、TwitterやFacebookはほとんど知らない。携帯電話はあってもスマートフォンではないので、通話がほとんどである。
筆者もかつてそういう生活をしていたものの、もう過去の話。今となっては新聞やテレビ報道だけでニュースを知るなんて生活は考えにくい。周囲には新聞の購読をやめた、テレビを見なくなった、そんな人も少なくない。ネットさえあれば必要な情報が入手できるどころか、情報収集の効率性や速さ、また大手メディアでは入手できない情報もあるからネットの方を好む人もいる。
新聞やテレビからの情報収集にも良さはある。プロの編集を経ており、決まった頻度で情報が出版あるいは公開される。朝刊と夕刊、あるいは定時のニュース番組を一通り見れば、おおよそ主要なニュースは把握できるようになっている。一般的な重要性についても(編集者の選択ではあるが)、ある程度は分かる。新聞紙面だとジャンルごとにページが分かれていて、重要なニュースなら大きく、そうでないなら小さく掲載される。テレビなら重要な話題が先で時間も多く割かれるからだ。冒頭の人はレイアウトによる重要性やカテゴリもニュースを把握するために役立つ補足的な情報だと考えていて、記事を単体で読むだけでは「どこか心もとない」と感じているようだった。