マイクロソフトの新しいOS「Windows 8」が2012年10月に登場して話題になりました。ここ数年、アップルの「iPad」が学校現場で使われる場面が多くなり、これと似たようなインタフェースを持つ製品が注目を浴びています。
日本マイクロソフトは、タッチ機能が特徴の1つであるWindows 8を搭載したタブレットPCの学校現場への投入提案を兼ねて、「21世紀の教室」という施設を東京品川にある本社に設置しました。先日、後学のためにこの施設を訪問してきましたので、今回はそのご報告と感想めいたものをお話ししましょう。
“1人1台”の可能性を提案する3つの授業
日本マイクロソフトの提供する“実験教室”ですから同社の製品が主役になるのは当然でしょう。当日は、Windows 8を搭載したタブレットPCを“1人1台”使わせていただき、3つの授業に参加しました。“先生”はマイクロソフトの公認トレーナーが務め、“生徒”は、体験申し込みをした教育関係者です。タブレットPCを使った模擬授業のほか、マイクロソフトの教育分野での取り組みを紹介する場面がいくつかありました。
ひとつめは中学校理科の「地球と宇宙」という単元の授業です。金星と太陽と地球の動きを理解する学習で、とかく、黒板に板書された図解では理解しにくい単元です。まず、マイクロソフトの天体観察ソフトや用意された映像コンテンツで生徒の興味を喚起します。電子黒板が活躍する場面で、リアルできれいな映像は科学的好奇心を大いに刺激します。
このとき、タブレットPCのカメラ機能でボールの大きさや形の変化を録画します。録画結果はグループ単位で話し合う際に使うので、1人1台のPCは必要ありません。グループで話し合って、地球から見える金星の変化を理解するというものです。理解したことをまとめる際、マイクロソフト製の“電子ノート”ソフトを使って電子ペンで書き込みます。デジタルデータとして書き込むことで、電子黒板に表示してクラス全員でそれを共有できるようになります。