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 iOS、OS Xの基本機能として、テキスト内に書かれた住所を自動認識してマップアプリに渡し、位置表示をしてくれる便利な仕組みがある。残念なことに、iOS 6向け地図アプリ「マップ」は信頼性が低いのは分かっているものの、音声付きのナビ機能があり、大体の土地勘が働くところなら手っ取り早いので、時々使っている。しかし、「80メートル先、千葉マチ、みちへ」と音声案内が出た時には大笑いしてしまった。画面表示を見ると「千葉街道へ」とある。人工音声はこの情報を「千葉街(まち)、道(みち)」と読み上げてくれていたのだ。

地図情報を単純にテキスト読み上げ

 この表現、運転中に何度も繰り返されるので、江戸川区内にも「千葉町」という地名があるのか、と勘違いしていたが画面を見て気がついた。画面表示では「街道」の部分が「街」で改行されて2行に分かれていたのだ。地図アプリが内蔵のデータベースから文字情報を引き出して来るところまでは良かったのだが、それを小さなiPhoneの画面で表示する際に「街」と「道」が泣き別れてしまった。この状態のテキスト表示を読み上げアプリが「ちばまち」「みちへ」と読んでしまっていたというわけだ(図1)。

図1 音声案内が「左折して千葉まちに、続いてみちへ」と読み上げてくれた。何を言っているのか、としばらく分からなかったが「千葉街道」のことだった。大爆笑だが、それに加えて周辺情報が無いのも困る。さらにローマ字で書かれているところも多い。
図1 音声案内が「左折して千葉まちに、続いてみちへ」と読み上げてくれた。何を言っているのか、としばらく分からなかったが「千葉街道」のことだった。大爆笑だが、それに加えて周辺情報が無いのも困る。さらにローマ字で書かれているところも多い。
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 このような表示形式になっている情報をコンピューターが読み上げる時に「まち、みち」と読んでしまうことはありうることだ。この部分を見てバグとは言えないかもしれない。しかし、地図アプリ内の読み上げ機能としては設計に不備があったと言わざるを得ないだろう。できるなら自動読み上げソフトに渡すデータは画面表示されているテキスト情報ではなく、地図データが持っている素材情報から取り出し、その情報から日本語の発音を導き出して、発声させるべきだろう。

 日本語の発音自体がそもそも明瞭でないのが大きな減点材料だが、日本語として意味不明の言葉を紡ぎ出す仕組みにしかなっていないのは、現在アップル社内で昼夜兼行で進められているであろうマップアプリ改修項目の中に早急に入れ込む必要があるだろう。

 地名の読み方はなかなか難しい。漢字通りの読みでは通用しない地名が多いのはご存知の通り。北海道や沖縄などでは特に難しい。そんな意表を突く読みにも対応させるためにはマップアプリ向けに特別な読み上げ辞書を用意しなければならない。地図アプリを開発するためには既に開発完了している日本語処理機能も、これまでのアプローチとは異なる設計が求められる。