「NOOK(ヌック)」が、存続の危機に直面しているようだ。
NOOKは、書店チェーンのバーンズ&ノーブルが開発した電子書籍リーダー、およびタブレットである。アマゾンのKindleに数年遅れて2009年に発売され、今では製品モデルは少ないものの、モノクロ電子ペーパーの電子書籍リーダーと2つのサイズのタブレットという、アマゾンに似たラインアップをそろえている。
NOOKは、製品としては評価がかなり高かった。アマゾンのKindleは、アマゾンのオンライン書店やアマゾンストアでの買い物をするには最適だが、プラットフォームとしては閉鎖的で、ほかのファイルフォーマットを受け付けない。
それに比べてNOOKはさまざまなフォーマットを受け付けるので、ほかの書店で買った電子書籍も読むことができる。ユーザー間で電子書籍の貸し借りをしたり、家族でNOOKを共有したりするという面白いモデルを最初に始めたのも、NOOKだった。今ではKindleも同様の機能を提供しているが、NOOKは本を読むユーザーの求めるものを最初から適確につかんでいたと言える。現在でも、気に入った雑誌のページを切り取って貯めておくといったようなしくみは、NOOKにしかない。