プレゼンの現場では、PowerPointの圧倒的なシェアを感じる。Keynoteは優れたソフトウエアだが、やはり仕事にMacを使っている人は、まだまだ多くない。デザイナーやWeb関係のコンテンツの提案など一部の例を除くと、Mac+Keynoteでプレゼンをしている姿はほとんど見かけないのだ。
ところが、タブレットでプレゼンをしようと思うと、逆の矛盾を感じることになる。最近になってようやくWindows 8のタブレットも登場しているが、多くの方がiPadを使っている。残念ながら、iPadのオフィス互換アプリの完成度は高いとは言えず、パソコンで作ったPowerPointのファイルを転送しても満足できるプレゼンはできない。タブレットでPowerPointが使えないという矛盾が生じるわけだ。現時点で最良の策は、PowerPointのファイルをiPadのKeynoteでプレゼンする方法だ。
ということで、今回はPowerPointのファイルを快適にKeynoteで扱う方法を紹介していく。実は、ファイルを転送するだけでもいくつもの方法が取れるのだ。
まずは、最もおなじみのiTunesによる転送だ。iTunesでiPadを開いて、「App」メニューからKeynoteを選択する。あとは、メニューからファイルを選ぶかPowerPointのファイルをドラッグ・アンド・ドロップする。複数のファイルを一気に指定して、転送できるのが便利だ。ただし、最大の欠点は、いちいち同期をしなければならないこと。
つまり、ファイル転送以外の同期もされるので、結果としてそれなりの時間が掛かる。ファイルを転送したら、すかさずスライドをチェックしたい僕としては、この方法はほとんど使っていない。しかも、複数のパソコンからファイルを転送する際には、それぞれで同期しなければならないので、かなり面倒だ。一方で、ひんぱんに同期をしているユーザーにはおすすめだ。同期後も、iPadのKeynoteでは、ファイルを追加しないと使えるようにならないので気をつけてほしい。