筆者だけではないと思います。さまざまなモバイル機器を持って旅行しようとすると、どうしても旅先で充電しなければなりません。しかし、ホテルといえども多数のコンセントがあるわけではないので、いわゆる「テーブルタップ」を使わねばなりません。そういうわけで、筆者も海外取材のときには、テーブルタップを持っていきます。アメリカは、日本と同じプラグの形で、電圧も110Vと日本とほとんど変わらず、多くの場合、日本の機器がそのまま利用できます。しかし、欧州圏では、電圧が220Vで日本の倍程度の電圧があり、プラグの形も違います。
問題としては、電圧の違いとプラグの形状の2つがあり、なんらかの変換プラグを使わない限り、日本式の電源プラグはそのままでは使うことができません。ただし、電圧に関しては全世界の電圧に対応できるタイプのものが増えてきており、あまり心配することもなくなりました。個々の国に合わせて作るよりも、世界対応のものを1種類大量に生産するほうがコストが下がるからでしょう。おかげで、ACアダプターなどでは電圧をあまり気にする必要はなくなりました。また、USB充電可能な機器が増えているため、AC電圧とは無関係な機器も増えました。
ただ、数年前ぐらいまでは、国内で販売されていた機器に、100~110Vまでしか使えないタイプのACアダプターが付属していたこともあったので、利用前には、注意が必要です。230Vぐらいある欧州圏の電源につないでしまうと、あっという間に壊れてしまいます。こうした電源機器の規格上、いきなり爆発したり炎上することはないはずですが、加熱したり焦げたニオイがするので、すぐに電源を切らないとダメです。筆者も一回ドイツで、USBハブ付属のACアダプターを壊したことがあります。持ち歩き用にコンパクトなACアダプターが付属していたのですが、それが110Vまでしか使えない製品だったのです。
そうなると残りの問題はプラグとコンセントです。ちなみにコンセントは日本語なので、海外では通じません。壁面のコンセントは、英語では「Receptacle」と言いますが、米国のホテルなどでは「Outlet」で通じます。
このコンセントとプラグには、国別にいろいろな規格があるのですが、国際機関であるIEC(International Electrotechnical Commission;国際電気標準会議)は、おおよそ世界で使われているコンセントとプラグをタイプA~Nの14種類として規定しています。日本や米国の平らなピンが2本並行に出ているものは「タイプA」と呼ばれています。
IECのプラグタイプのページ(右側のプラグの図をクリックすると詳細ページが開く)。