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 前回は地上/BSデジタルテレビ放送を外出先からでも視聴できる「エリアフリー録画対応デジタルテレビチューナー」を紹介した。残念ながら、高速ネットワーク環境がない場所では使えないものだった。今回は録画した高精細映像コンテンツをiOSデバイスに移して外出時にも視聴できるようにする仕組みについて紹介しよう。サードパーティ製iOSアプリ「Twonky Beam」がデジタル放送の著作権保護機能に対応したおかげで、ソニーのネットワークレコーダー&メディアストレージ『nasne(ナスネ)』で録画した番組が持ち出せるようになった。これで、移動中にも高精細テレビ映像がチェックできる。しかし、一般のビジネスパーソンが扱うには煩雑な操作が必要な上に制約が多く、誰にでもお勧めできるものとは言いがたいことを前置きしておこう。

nasneの番組持出し機能

 nasneという製品になじみがない人の為にちょっとだけ説明しておこう。nasneとはソニー・コンピュータエンタテインメント製の、デジタルテレビチューナーで、内蔵のネットワークストレージに直接録画する。nasne本体には操作ボタンもリモコンも、映像出力の端子もない。

 では、どのようにして使うのか? 視聴するにはネットワーク接続したパソコンや「torne(トルネ)」というアプリを組り込んだPlayStation 3を使う。それぞれの端末上で動かしているコントロール用のソフト、視聴用のソフトを使って操作できる。番組予約するにはWeb上でサービスしているSo-netのテレビ番組ガイド「テレビ王国」と連動させて行う。組み合わせるべき仕掛けが多過ぎて、一般のテレビチューナーとはかなり異なる操作スタイルだ。製品パッケージには「for PlayStation 3、VAIO、Sony Tablet Xperia」とあり、一見“ソニー製品限定的な”製品だ。価格がぶっちぎりに安いのも魅力。500GBの録画用ハードディスク内蔵して、地上波/BS/CSの3波チューナーを持ち、希望小売価格 1万6980円(税込)、実売1万4000円くらいからというのは値打ちがある。

 録画番組の複製はダビング10の規制に則り動作するようになっており、ネットワーク上で機器同士を認証させてダビングやムーブ動作を行うようになっている。nasne自体は2012年7月に発売開始されており、VAIOやPS3といった対応機種間では視聴やダビング(ムーブ)ができていた。技術的にはDLNAに加えてDTCP-IPと呼ばれるネットワーク上でビデオを流したり再生させるプロトコルを使って実現していたものだ。

 iPadやiPhoneで動くDLNAクライアントはいくつか存在していたが、DTCP-IPに対応するアプリ、特にダビング10準拠のムーブ機能にまで対応するアプリがなく、iOSではこれまでnasneに録画した番組を持ち出すことができなかったのだ。「Twonky Beam」というiOSアプリケーションが2013年の3月2日、バージョン 3.4.1にバージョンアップした際にDTCP-IPのムーブにまで対応が上がった。これで、ようやくiPadやiPhoneにもnasneに録画した番組を持ち出すことができるようになった、という訳だ(図1)。

図1 ネットワーク上に置いた3波デジタルテレビチューナー「nasne」を視聴、録画持出しできるようになった「Twonky Beam」。
図1 ネットワーク上に置いた3波デジタルテレビチューナー「nasne」を視聴、録画持出しできるようになった「Twonky Beam」。
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 実はTwonky Beam自体はAndroid版の2012年6月のリリースからDTCP-IPに対応していたが、iOS版は2012年12月に3.3.2で対応、その後3.4.1でムーブにも対応してAndroid環境に追い付いたという経緯がある。ソニーはTwonky Beamを使ってBlu-ray Discレコーダーなどに録画した番組をiPadなどで楽しみたい場合はソニー提供のiPadアプリ「RECOPLA」にTwonky Beamを連動させて使えばよいと正式に案内しているが、まだnasneの正式対応は謳っていない。現時点ではまだ「裏技」の域を出ていないことをお断りしておく(図2)。

図2 ソニーのサイトにはソニー製のBlu-ray Discレコーダーに録画した番組をiPadで楽しむための方法を説明したページがある。
図2 ソニーのサイトにはソニー製のBlu-ray Discレコーダーに録画した番組をiPadで楽しむための方法を説明したページがある。
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