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 膨大な数のファイルを、種類に応じて、フォルダー分けするプログラムを作ります。そして、物語は、とある会社の社長とPM(プロジェクトマネージャー)原君の会話から幕を開けます。

原君「社長、案件Gもようやく完了となりました」
社長「原君、お疲れさま。今日の定例会議は早めに終えて、慰労会にしよう」
原君「いいですね」
社長「ところで原君、さっき進捗を見ようと共有フォルダーを開いたのだけど、酷い状態だね。メンバーそれぞれが好き勝手なところにファイルを保存しているようで、全く手に負えないよ」
原君「そうなんですよ、とにかくファイル数が多くて困っているんです。なかなか目的のファイルを見つけられず、わざわざ担当者にファイルの場所を電話して聞くこともあります」
社長「やっぱり。共有フォルダーの乱れは、メンバーみんなの心の乱れだよ。なんとしても、定例会議までに、きれいに整理しておくように」
原君「えぇー、今日中ですか? あんなに数がたくさんあるのに、無理ですよ」
社長「いや、原君ならできる。ほらっ、プログラムで仕事を自動化するっていう、PC Onlineの連載を熱心に読んでいるじゃないか」

 身の回りの整理はできるのだけど、PCの中の整理となると、なかなか億劫(おっくう)なんて方もいるかもしれません。気が付けば、デスクトップがファイルだらけになっていたり、「重要」と名前の付いたフォルダーの中に、100個以上のファイルが未分類のまま放置されていたりしませんか。そうなると、いざファイルを利用したいときに、あちらこちら探し回ることになるかもしれません。

 会社の共有フォルダーともなれば、メンバーそれぞれが適当にファイルを配置してしまい、無法地帯になりがちです。

最初に分類方針を決めよう

 そんなわけで、先ほどの原君は、ただ適当にファイルを移動するのではなく、今後チームのみんなが探しやすいよう、しっかりした分類方針を立てることにしました。正しく分類方針を決め、それを徹底すれば、今後どんなにファイルが増えたとしても、任意のファイルを素早く探すことができるでしょう。

 ファイルの整理に限らず、物の片付けで大切なのは、分類方針を決めそれを守ることです。しかし、その分類方針が複雑すぎると、ルールを守るのが困難です。例外が発生したりすれば整理自体を諦めてしまうことにつながりかねません。ですから、覚えやすく単純なルールにすることが肝要です。

 原君の社内の共有フォルダーには、ここ数年の間に携わったいくつものプロジェクトに関するさまざまな資料(契約書、図面、プレゼン、メールの抜粋など)が雑然と配置されています。

 そこで、原君は、ファイルの3大分類ルールを決め、これを徹底することにしました。

(1)ファイルは全てプロジェクトごと用意したフォルダーに入れる
(2)フォルダー名を「2013-DB開発案件」のように「(年度)-(プロジェクト名)」でそろえる
(3)終了したプロジェクトは「9999-終了案件」フォルダーに入れる

 このほかに、使い回しできるひな型ファイルは「0000-ひな型」フォルダーに、メンバーそれぞれが提出した日報の保存先を「0001-日報\(名前)\(年度)」にするなど、これまで漠然としていたルールも改めて明文化しました。

 具体的には、共有フォルダーを以下のような構成にします。フォルダー名の頭に数字を付け、名前順に並び替えたときに、よく使う順に並ぶように工夫しました。

\\<共有フォルダ>
|ー \<0000-ひな型>
|ー \<0001-日報>
|ー \<2013-案件D>
|ー \<2013-案件E>
|ー \<9999-終了案件>
|  |ー \<2012-案件A>
|  |ー \<2012-案件B>
|  |ー \<2013-案件C>