バックアップの新境地である。パソコンを使うならバックアップはとても大事。これまで普通にアクセスできていたメールや写真が消えた……そんな経験をするとバックアップの重要性をひしひしと感じるようになる。幸い、筆者はパソコンで大規模な故障を経験したことがないため、結構な量のデータをずっと保管し続けている。
近年では写真のデータが猛烈な勢いで増えているのが心配なところ。何せ画素数が増えているし、RAWデータまで残しているのだからもう大変。「RAWデータを残す必要が本当にあるのか?」という根本的な疑問はありつつも、それはさておき、写真データは一定期間ごとに外付けのハードディスクに移動している。「普段使うデータ」はパソコンに保存、「あまり使わないがとりあえず残しておくもの」は外付けハードディスクに保存、という使い分けをしているわけだ。
周囲に聞いてみると、同じように外付けハードディスクを使用する人もいる。あるいはハードディスクを複数組み合わせたRAID構成を組んだり、ネットワーク経由でアクセスできるハードディスク(NAS)を利用する人も。
筆者もやろうと思ったことはあるが、頻繁に使うデータは限られるため、必要に応じて外付けハードディスクの電源を入れて使うという運用にしている。年中電源オンにしておく機器を減らしたいというのもある。
外付けハードディスクが壊れたら終わり
ただ、やはり外付けハードディスクが壊れたら怖い。せめて二重化したいとは思うものの、そこまで投資するのもどうか。それに近年はTwitterやFacebookといったネットにアップロードしている写真なども少なくないので、完全に失うことはないような気もする。
そう思っていたところ、前回の米オバマ大統領の選挙運動に関する取材で「Amazon Glacierなら1GB当たり月額1円くらいだよ」という言葉が耳に残った。Amazon Glacierとは、米アマゾンがクラウドサービス「Amazon Web Services(AWS)」の中で提供する低価格アーカイブストレージサービスのことだ。
そうか、クラウドにバックアップするのも悪くない。もちろんクラウドを用いたバックアップサービスは他にもある。しかし手軽に使えるのはせいぜい数GB程度で、それ以上となると有料になってしまう。
筆者が持つデータはおおよそ300GBもある。従来のクラウド型バックアップサービスには手を出しにくかった。しかしAmazon Glacierなら、300GBなら月額300円ということになる。これなら悪くないかも……そう思い始めた。