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 ポール・アレンがシリコンバレーに事務所を設けるそうだ。

 アレンは、ビル・ゲイツと共にマイクロソフトを創設した人物。共に大学をドロップアウトして1975年に同社を設立したが、アレンは体調を崩して1980年代初頭には同社から身を引いている。

 その後の活動は、主に投資とフィランソロピー(慈善活動)だ。何と言っても、彼の資産は150億ドルを下らず、『フォーブズ(Forbes)』誌によると世界で53番目のお金持ちである。

 フィランソロピーでは、脳のリサーチに寄付したり、シアトルにある音楽関連の博物館に資金を出したりしている。その博物館「エクスペリエンス・ミュージック・プロジェクト」には、ジミー・ヘンドリックスのファンだというアレンのものすごいギター・コレクションが展示されていて、その凝り方にはため息が出るほどである。

シリコンバレーでの投資を加速するアレン

 さて、そのアレンのシリコンバレー事務所は、シアトルに拠点を置く彼の投資会社ヴァルカン・キャピタル(Vulcan Capital)の支社となる。ヴァルカン・キャピタルは、ドリームワークスのようなメディア会社から、オンラインの不動産ブローカーサイトであるレッドフィン、音声認識技術開発のオーディエンス、さらにライフサイエンス関連会社、エネルギー関連会社、教育関連会社など、幅広い分野に投資している。

 そのヴァルカン・キャピタルがいよいよシリコンバレーに支店を作るということは、シアトルからの“遠隔操作”ではやっていけないほど、シリコンバレーのこれからの可能性を見逃したくなくなったということなのだろう。どんな新興企業に投資するのかが楽しみである。