先週はMacの初期不良にぶち当たってしまっての悪戦苦闘、3日間の顛末を披露した。一通り壁を乗り越えたら、その後は実に快適、滑らかな使い心地で、気持ちの良いデジタルライフが送れている。さすがMacなのだが、それでも小さな波は次々に襲いかかってくるもの。これはいかなる機器であっても設備を更新したら、必ず遭遇する性質のもの。対処方法をあらかじめ頭に入れておくといざという時に慌てずに済む。読者の皆さんも、きっといつか同じようなことに遭遇するはず。今回の一連の騒ぎで気が付いたことを後学のためにまとめておこう。
マシンを更新する前にやっておくこと
まず、パソコンユーザーにとっては常識であるバックアップ。パソコンを更新する時には、更新前のパソコンを完全にバックアップし、更新後のパソコンにも仕事環境をそっくり書き戻せるように準備しておくのがよい。Macの場合は丸ごとバックアップの仕組みとして「Time Machine」があるので、基本的にはこの仕組みに頼るのが手っ取り早い。作業環境を含めてそっくりそのまま移してしまうことさえできる仕組みだが、後述するように、シリアル番号などを入れてアクティべーションさせるタイプのアプリは復元できないと思った方がいい。新調したパソコンで再度インストールし直すつもりになっておかなければならない。
大事なのは、インストールできる台数が決まっているアプリ、例えばマイクロソフトのOfficeやアドビシステムズのグラフィックスアプリなどは移行前に元のパソコンからライセンスを解除しておかなければならない。また、アプリ内で作った自動実行スクリプトなどは後々のために書き出して保存しておこう。
パソコンを友人に譲ったり、下取りに出すような場合は単にアプリないしはOSごと消去してしまっては新しいパソコン上でアクティベーションできなくなってしまうので注意が必要だ。まずアプリに内蔵されている「ライセンス解除」をしてから、ハードディスクをクリアするようにしなければならない。さもなければ、新しいパソコン上で「ライセンス数を超えている」というメッセージが出てきて再インストールできないことがある。
iTunesも似たような制限があるので、要注意。iTunes Storeから購入した音楽や映画の再生は、購入時のApple IDで認証された5台までのパソコンに制限されている。新調したMacが通算6台目となるような場合は譲渡、あるいは廃棄する前に認証解除しておく必要がある。ただし、iTunesの場合はライセンスを一括解除、という機能が備わっていて、万が一ライセンス解除する作業を忘れたままハードディスクを消去したり、廃棄してしまったような時にクリアすることができる。ただし、この、全クリアは1年間に1回のみの制限があるので、むやみに頼るわけにも行かない(図1)。