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 「噺家さんはお仕事の時以外は何してんですかぁ?」と聞かれることは多い。「もちろん稽古っす!!」というのも本当なのだが、永遠にやっているわけではない。稽古は、1席にエネルギーを費やすので連続数時間というのは無理だ。ちょっとやって休む。んでまたちょっと……。

 アタシはそんな感じだ。

 他にも、ヤマメが解禁になったし渓流にも行きたいし、カヌーも乗りたいし、撮り溜めた映画を観たいし、ベランダに来る野鳥の観察をしたいし、どこそこの美味しい料理とお酒の店が!……やることはキリがない。

 冒頭の質問には少しづつ答えていくことにして、お稽古である。

 稽古のやり方も難しい。「百回の高座のより一度の本番」と言った先輩がいたが、なるほどそうだ。もっともこれは二百回の稽古したら? ということではない。一度の本番がいかに大事かということである。はい。今の「はい」は自分を戒めてみました。

 あとは、同時に四六時中体内が噺家モードになっていることがいい状態につながるようだ。なんとなく手の届くところに「噺」がぼんやりと存在しているというか、五感で感じたことが「噺」に変換されるとか。。そうなると外交だって国会中継だって立派な長屋の小噺に見えてくる。いいのか悪いのか。。

 同じように「いつも手の届くところで触れていた方がいいんですよ」と言われるものに楽器がある。毎日触れることで楽器と仲良くなれるらしい。と言っても自分自身これまでも仲良くなりたいなぁと思った楽器はあったがなかなか仲良くなれなかったなぁ。

 実はこう見えて!? 少しばかり小学校の頃、ピアノを習っていた。へへへ。いやぁ蝶ネクタイをして発表会も出ているのだ。いやぁ恥ずかしい!

 中学校でも楽譜を他の生徒よりもスラスラと読めたのは自慢だったが、しかし楽譜が複雑になってからは、あっという間に抜かれていったなぁ。そして、男子は音楽じゃなくて格闘技じゃぁ! とよく分からない理屈で柔道少年になっていたそうだ……チャンチャン。