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 東京都教育庁は2013年4月、「平成24年度インターネット・携帯電話利用に関する実態調査報告書(概要版)」を都内の学校に配布した。毎年の調査の2012年度版で、2013年1月から2月にかけて実施したものだ。夏ごろには教育庁のサイトで詳細が公開されるだろう。

 対象は3年生以上の小学生1万420人とその保護者8955人、中学生5469人とその保護者4450人、高校生3007人とその保護者1736人、特別支援学校生314人とその保護者246人、そのほか教職員1828人と管理職70人。都内児童・生徒総数の2%に当たる大規模な調査で、しかも保護者も対象にしている点が興味深い。ここでは、小中学生のデータを中心に内容を紹介しよう。

携帯とサイトの利用状況

 携帯電話を所有している小学生は51.1%(前年度調査では42.9%)、中学生は72.6%(同70.5%)。3年生以上が対象であるが、小学生の所有率がとうとう5割を超えた。携帯電話のフィルタリングを利用している率は、小学生が37.2%(同39.9%)、中学生が58.3%(同58.6%)。意外なことに、小学生の方が圧倒的に低い。しかも、小学生は「分からない」と答えている率が49.8%(同46.3%)と、フィルタリング機能の説明をショップや保護者から聞いていないか、聞いたが忘れているものと思われる。この点は学校が子供と保護者に教えないといけない。

 携帯電話を所有している児童・生徒のうち、最初に持った学年で一番多いのが、小学校3年生の15.3%、2番目が4年生の14.4%。約3割が小学校中学年から持ち始めている。つまり、小学校中学年から情報モラル指導の初期段階を行う必要があるということだ。

 携帯電話を所有している児童・生徒のうち、1日に携帯サイトを1時間以上利用する小学生は3.6%(同2.5%)。中学生になると18.3%(同14.6%)と多くなる。その内容は、小学生ではゲームや音楽のダウンロードが60.6%(同44.8%)と多く、中学生ではブログやコミュニティサイトなどへの書き込みや閲覧が65.1%(同68.7%)と多くなる。ダウンロードやサイト書き込みに関わるトラブルに対応した指導が必要である。

スマホの所有率は倍増

 所有する携帯電話のうち、スマートフォンの割合は、小学生で19.1%(同10.4%)、中学生で35.6%(同13.4%)を占める。前年度の調査から倍増した。保護者はスマートフォンが小さなパソコンだということを理解しているのかどうかが心配になる。

 興味深いのは、携帯電話を2台以上所有している小学生が、何と14.0%(同11.9%)もいることだ。中学生は6.6%(同4.9%)と、小学生に比べると少ない。驚くことに、3台以上所有している小学生も4.7%(同4.6%)いる。筆者の小中学生の子供に理由を聞いてみると、家族用と友達用と使い分けているのではないかという話だった。ぜいたくな話だ。

ルールの認識は親子に開き

 携帯電話を利用するに当たり、家庭のルールがあるかという質問もしている。「ある」と答えた小学生は59.1%、その保護者は80.7%、中学生で45.8%、その保護者は76.6%。子供と保護者とで大きな開きがある点に注目したい。親はルールを決めたつもりでいても、子供はルールと意識していないことがよく分かる。保護者が家庭のルールをつくること、子供にルールだと認識させること、そして定期的に親子で確認すること──を保護者会などを利用して啓発する必要がある。

 何らかのトラブルを経験した小学生は7.2%(同9.2%)、中学生は18.3%(同22.4%)だった。前年度に比べて減少したのは、フィルタリングと、学校による情報モラル指導の成果だと思う。トラブルの内容は、多い順にチェーンメール、迷惑メール、架空請求メール、メールが原因の友達とのトラブル、悪口メールと続く。情報モラル指導の内容の定番である。

 東京都教育委員会は本気で情報モラル指導に取り組んでおり、2012年度は情報モラル指導のためのDVD映像コンテンツを各学校に配布。2013年度は20項目にも及ぶアニメーションのコンテンツを既に配布している。あとは、学校が本気になるだけだ。