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 アップルの開発者向けイベントのWWDC(世界開発者会議)、今年は久々にエキサイティングな発表内容が並び、空が白むのも忘れて、ネット中継されたプレゼンに聞き入った。スティーブ亡き後、アップルの行く道を心配する声も聞こえていたが、ティム・クックCEO(最高経営責任者)はこれを杞憂と吹き飛ばしてくれた。次期iOS 7、OS X Marvericks、新型CPUを積んだMacBook Air、従来機よりも10倍も速い内蔵ストレージを積んだMac Pro……そして何より興味を引いたのが、「自分好みの放送局になるiTunes Radio」。これまで、こういう仕組みが欲しくてあれこれ模索してきただけに、これが本当に日本でも利用できるようになるだろうか? と固唾を飲んで待っているところだ。

ネット中継の充実も目を見張る

 WWDCのキーノートアドレス(基調講演)の内容もさることながら、ネット中継への取り組みが半端じゃなかったことも特筆に値する。

 今回はインターネットで全世界にHD(高画質)映像が送信されると共に、Apple TVの所有者向けにも同時に配信された。私は今回Mac miniに接続したフルHDディスプレイでプレゼンの流れをチェックしたが、Apple TV所有者はリビングに置いた大型テレビで臨場感溢れる中継を楽しんだことだろう(図1)。

図1 HD品質でライブ中継された「WWDC 2013」。数字の中に散りばめられたアイコンまではっきり見える。世界中で膨大な視聴者がアクセスしただろうが、難なくストリーミングできていた。リンク先の画像は、1920×1080pの映像をWeb向けに縮小したもの。
図1 HD品質でライブ中継された「WWDC 2013」。数字の中に散りばめられたアイコンまではっきり見える。世界中で膨大な視聴者がアクセスしただろうが、難なくストリーミングできていた。リンク先の画像は、1920×1080pの映像をWeb向けに縮小したもの。
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 ただし、HDとはいうもののストリーミング放送は1080pのフルHDまではいかなかった。しかし、数時間後に1080pのフルHDで見たい人向けにVideo Podcastでダウンロード可能なファイルが登録され、じっくり見ることもできるようになった。Video Podcastを登録し、ダウンロードするには、iTunesを開き、「ファイル」メニューの中の「Podcastを登録...」を選択。開いたパネルの中に、   http://itstreaming.apple.com/podcasts/apple_keynotes_1080p/apple_keynotes_1080p.xml
とタイプすると自動的にダウンロードされる。上記の1行をコピー・アンド・ペーストすると間違えずに操作できるだろう(図2)。

図2 キーノートアドレスの終了後、程なく<a href=1920×1080のHDビデオがポッドキャストされ始めた。これをiTunesに登録すると、ファイルをダウンロードできる。">
図2 キーノートアドレスの終了後、程なく1920×1080のHDビデオがポッドキャストされ始めた。これをiTunesに登録すると、ファイルをダウンロードできる。
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 ライブストリーミングは始まった瞬間こそ乱れたものの、数分後には安定して映像が流れ、さすが巨大なサーバー施設と配信ネットワーク(Akamai)との協業がうまくいっているのだと感じさせた。今回のライブストリーミングは一時停止、再スタートもできるようになっていて、記事を書かなければならない立場の人には楽にメモが取れる仕掛けとなっていて、とても便利だったのではないだろうか?

 こういうビデオ配信の仕組みを見ると、アップルの考えるテレビ配信の基本は十分に準備できていて、後は周りのビジネス環境を整えるだけ、の状態にあることがよく分かる。