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 新聞・雑誌、商品案内、企業の紹介パンフレットなど、紙で印刷・配布するのは当然として、Web経由でパソコンへ、さらにはiPadやAndroidタブレットにもと、コンテンツ展開の要求レベルは高まる一方。OSが違う、液晶サイズが違う、回線のスピードが違う、といったプラットフォームごとに異なる仕様に合わせて、これまではそれぞれ作り込まなければならなかったが、それを解決する方法がかなり増えてきている。今週、東京ビッグサイトで開かれた展示会「【国際】電子出版Expo」にはそんなサービスやツールがたくさん並んでいて、頭を痛めている担当者の助けになりそうだ。

iBookstoreが始まって面倒が増えた

 iPadやiPhone向けの電子書籍販売、iBookstoreが2013年3月に始まって以来、書籍供給側はiBookstoreにも最適化したデジタルコンテンツを用意しなければならないために、手間が増えたとこぼす関係者が多い。特にiBookstoreでは読み手が文字を大きくしたら、その瞬間にレイアウトもページ数も自動的に変わる「リフロー」と言われる形式を推奨しているために、紙の雑誌レイアウトをいったん解除してiBookstore向けに作り直している出版社もある。

 また、iBookstoreに最適化して、動画や音を組み込んだ、いわゆるリッチコンテンツを作り込もうとすると、膨大な追加編集コストがかかり、この分野のコンテンツはなかなか増えていかないのも実情だ。しかも、そうしたリッチコンテンツをアップルが提供するiBooks Authorで作ろうとするとiBookstore以外への販路拡大ができずに困るという悩みもある。

 そんなたくさんの悩みを解決するソリューション展示会が「【国際】電子出版 EXPO (eBooks)」と言うわけだ。今年はiBookstoreが始まって競争がますます激化していると同時に、縦書きやルビなどの日本語対応が整った電子書籍規格EPUB 3が浸透してきたのを受け、マルチプラットフォーム、マルチプロバイダー対応のソリューションに手応えを感ずる。

 この展示会の面白いのは、電子出版コンテンツを並べただけではなく、商品としての書籍からその制作、許諾ビジネス、コンテンツ配信のインフラ、さらにはそれらの素材制作の引受け手、すなわちイラストレーター、ライター、作家、漫画家などが直接ブースを構える「クリエイターEXPO東京」まで、下記のように一挙に6つの展示会が併設されているところ。まさに「デジタルコンテンツ流通の入り口から出口まで」を全部取りそろえた展示会となっている。そのうち5つは5日まで、「東京国際ブックフェア (TIBF)」は6日(土)まで開かれている(図1)。

 ・第20回 東京国際ブックフェア (TIBF) *これのみ7月3日(水)~6日(土)
 ・第17回 【国際】電子出版 EXPO (eBooks) 以下7月3日(水)~5日(金)
 ・第3回 ライセンシング ジャパン
 ・第2回 クリエイターEXPO東京
 ・第1回 プロダクションEXPO 東京
 ・第1回 コンテンツ 制作・配信 ソリューション展

図1 電子書籍ビジネスでは最も老舗企業「ボイジャー」はデバイスを選ばないWebベースの読書システム「BinB」をシアターで積極展開。満席の盛況だ。「300万冊以上のアクセスを記録した電子書籍『キングダム』 集英社がBinBビューアを採用した理由」を解説する集英社デジタル事業部デジタル事業課副課長の岡本正史氏。
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