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 最近、あちこちで「Androidは断片化(あるいは分断化)している」という話を見聞きします。なんだか大変なことのようですが、結論から先にいうと一般ユーザーがAndroidを使うのにはまったく関係がない話で、何も気にする必要のないことです。そもそも「問題」ですらありません。

 「断片化」とは、「Fragmentation」の訳のことです。組織などが派閥に別れるように、1つのものの中身が複数に分裂していることをいいます。これは、Androidに多数の機種があり、解像度や物理画面サイズ、バージョンなどに違いがあることを指しているようです。2010年のアップルのアナリスト向けの電話会議でジョブズが、「iOSはクローズシステム、Androidはオープン」という世間の評判に対して、「iOSはハードウエアが1種類で『integrated』されているが、Androidには多数の種類があって『fragmentation』されている」と発言したのが最初のようです。

 確かにAndroidには、数多くの機種があり、解像度も物理画面サイズも違うし、機種によってバージョンが違っています。ですが、このようなことは「多様化」ということもできるし、「選択肢が多い」ということもできます。

 簡単に言うと、断片化しているという言い方は、決して間違いではないけれども、ネガティブなイメージのある言葉をわざと選んで主張しているのです。これは、古くからあるFUD(Fear, Uncertainty and Doubt)というマーケティング手法の1つです。かつてIBMやマイクロソフトが利用して有名になった手法です。簡単にいうと競合製品に対して「こんなの使って大丈夫なの?」みたいな不安をユーザーに与える方法です。

 このAndroidの断片化という言葉に対して、一般ユーザーがこれを何か心配する必要はありません。問題があったとしてもアプリ開発者の問題だからです。ですが、断片化しているからといって、アプリの品質や出来具合に大きな違いが出るわけではありません。アプリの開発に関しては、これ以外にもさまざまな要素が関係しますし、アプリの内容や機能、目的などによっても違いがあります。また、開発者の規模や資金力、技量、環境などにも問題の種類や程度は関係してくるもので、断片化自体は、数多くある問題のほんの一部でしかありません。

 しかも、問題は、サードパーティのアプリ開発に関わることです。例えて言えば、自動車とカー用品みたいな関係の話です。ある自動車のシートカバーをサードパーティが製造するのが難しいとしても、自動車の評価にはなんの関係もないし、自動車が運転しにくいわけでも使いにくいわけでもありません。