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 今、私は日本の未来・地球の未来のために“理想の市民学校”をつくりたいと熱望している。世界に誇れる地域ブランドやコミュニティビジネスを興す社会起業家を育てる、ソーシャルメディアを活用した地域ぐるみの学校だ。

 明治維新後の日本は、欧米に追い付き追い越せと「経済優先の工業化→輸出」で突っ走ってきた。一方、「日本では当たり前の美意識」に世界の注目が集まる今、「文化優先のソフト化→千客万来」にシフトしなければならない。

 ところが、観光立国・文化立国を目指すためのリーダーや社会起業家が、絶対的に不足している。明治大学で起業家教育を始めて8年。学生たちを見ていると、就職活動の片手間に取り組むだけでは間に合わないことが分かる。また、元気なはずのシニア・女性の力も、社会変革に生かされていない。

 そこで、社会起業家を育てる新しい仕組みを、この場で考えてみたい。

1.中学からIT活用×リーダー力養成

 明大で教えていて、多様な職種で活躍する「元気な大人」に会わせることが、若者を勇気づける特効薬だと気付いた。我が墨田区でも、地元の中小企業経営者が、中学校の出張講師を務めている。これを一歩進めて、中学生たちにIT教育を施し、地元の元気な大人たちを徹底取材させたい。その人の代わりに「自分史」や「社史」をパソコンで作り、ネットで発信させるのだ。

2.元気な先輩の志を継承&保存

 私自身、地元の先輩経営者の苦楽に満ちた人生をお聴きすると、知恵の宝庫であることに驚く。また、挑戦する勇気も湧いてくる。そこで、市民学校に関わる次世代リーダーと地元の中高大生が一緒に取材して、知恵と志を引き継ぐのだ。ただ聴いて終わりにせず、手分けして動画や文章などにまとめる。それをネットで発信すれば、企業や地域のPRになり、生きた教材にもなる。

3.地域の宝探し×ネット発信×就活

 先人へのインタビューとネット発信を繰り返すうちに、次世代の地域リーダーや学生たちは、地元に素晴らしい人財や会社が数多くあると実感するだろう。地域に「お宝」が無数に隠れていることを知って、これまでよりずっといとおしくなるはずだ。地元の経営者にも愛されて、就活などしなくとも「ウチに来い」と言われるようになる。

4.元気な地元人の自分史作り

 中学校では、地元の元気な大人の話を聴いて、ソーシャルメディアで発信する体験を全員にしてもらう。その上で、パソコン部と新聞部を合わせたような「地域発信部」を部活としてつくろう。熱心な学生たちに、一人でも多くの地元の元気な大人に会う機会を提供。地元の達人の自分史作りを代行し、深く交流しながら、コミュニケーション・表現・発信の力を体得する。

5.街おこし活動のネット担当

 高校生になったら、実際に街おこしの活動に参加すべく「地域おこし部」をつくりたい。地元の商工会議所・青年会議所・観光協会などと協働して、さまざまなプロジェクトにボランティアスタッフとして参加する。どの団体でもネット広報には困っているので、中学時代から磨いた発信力を発揮できる。地元リーダーたちとともに汗を流して達成する喜びを味わうのだ。

6.地域活動のサブリーダーに

 高校生からスタッフで参加していれば、大学生になったときには、プロジェクトのサブリーダーぐらいは任されるはず。一つの目標に向かって多様な課題をこなし、スタッフをまとめる。さらに、収支もちゃんと考える体験は、生きたビジネススクールだ。地域の経営者たちが集うプロジェクトで目に留まれば、就活せずとも引く手あまたになる。

7.政官財学の次世代リーダー養成

 学校の収益は、社会人大学院の授業料を中心とする。地域の企業、自治体、NPOのリーダーが一堂に学ぶ場は、それだけで価値がある。講師陣は、全国で街おこしの成功体験を持つ実務家が中心。さらに、講師陣が関わるプロジェクトに実際にスタッフとして関わる。ソーシャルメディアを活用しつつ、街おこし体験を繰り返すのだ。これらを通じて実践的なスキルを体得する。