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 去る2013年7月、代表的な「MOOC」であるユーダシティー(Udacity、公式Webサイト)について、興味深い出来事があった。

 MOOC(Massive Open Online Course)とは、無数の人々がアクセスできるオンライン教育プラットフォームのこと(関連記事)。無料で世界のどこからでも授業が受けられるので、これからの教育のあり方を変えると期待されているものだ。

 高等教育レベルのMOOCでは、ユーダシティー、コーセラ(スタンフォード大学から発祥)、edX(MITとハーバード大学の共同プロジェクト)がよく知られている。もう少し若い中高校生レベルの生徒向けには、カーン・アカデミーが有名だ。

普通の学生とネット受講生のテスト合格率に格差

 さて、ユーダシティーは今年初め、カリフォルニア州シリコンバレーにあるサンノゼ州立大学と共にパイロットコースを作って実験を行っていたのだが、その結果が思わしくないというのである。春の学期で「代数」や「初歩の統計学」のコースを提供したところ、学生のテスト合格率が半分ほどと低かった。

 普通にキャンパスで授業を受けている学生の合格率は71%であるのに対して、ユーダシティーでオンラインだけで授業を取った学生の場合は51%だった。大学では、すでに始まっている夏学期の後にコースをいったん休止して、その原因を調査するとしている。

 MOOCは全米でも注目を集めているので、もちろんこの結果には関心が集まった。MOOCはとかくマクロなインパクトが強調されがちなのだが、実際にどういうふうに学生が利用し、体験し、プラットフォーム側が学生をどう受け入れるのかが見えにくい。だが、今回の出来事の詳細が少しずつ明らかにされるにつれて、その理解が深まったように思う。

 いや、ユーダシティーを創設した当のセバスチャン・スランも、このおかげでMOOCの正しいフォーミュラ(公式)が分かったと述べている。ちなみにスランは、元スタンフォード大学教授であり、元グーグル・ラボのトップ。ラボ在籍中は、同社の自律走行車やグーグルグラス(関連記事)の開発を主導した人物である。