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 文部科学省が進める「情報教育」という言葉は、国内では広く使われていますが、海外ではあまりなじみがありません。「コンピューター教育」とか「ICT教育」といった直接的な表現が一般的です。

 我が国の情報教育の目的は、一言で言えば「情報活用能力の育成」です。情報活用能力には、もちろんコンピューターやインターネットを活用する力も入りますが、それだけではなく、情報そのものを活用する力や、情報モラルなど情操面の力も含まれます。今回は、情報活用能力のこれまでと、これからについて考えたいと思います。

日本の情報教育のこれまで

 「情報」とは何か?……この質問に答えることさえ容易ではありませんから、ましてや「情報教育」とは何であるかについて説明するのは難しそうです。文部科学省は、情報教育の目標を次のように記しています。

情報活用の実践力
 課題や目的に応じて情報手段を適切に活用することを含めて、必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造し、受け手の状況などを踏まえて発信・伝達できる能力
情報の科学的な理解
 情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解と、情報を適切に扱ったり、自らの情報活用を評価・改善するための基礎的な理論や方法の理解
情報社会に参画する態度
 社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響を理解し、情報モラルの必要性や情報に対する責任について考え、望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度
 
(1997年10月 情報化の進展に対応した初等中等教育における情報教育の推進等に関する調査研究協力者会議 第1次報告)

 実践力、科学的な理解、参画する態度と、それぞれ性格の異なる資質が並んでいて、これらをバランス良く育成することが情報教育だとされています。コンピューターやインターネットといった具体的な情報手段については触れられておらず、それぞれの内容を教員が読み解き、指導の過程で子どもたちにこれらの資質を身に付けさせるというのが日本の情報教育です。