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 娯楽の多様化で、寄席も客足が衰え苦戦している。そこで落語協会、落語芸術協会の噺家しか定席に出さなかった新宿末廣亭が、テレビで人気の志の輔師匠や今一番チケットが取れない談春師匠が所属する立川流を出演させることを決定。

 すると人気者見たさにお客さんが激増。それを知った浅草演芸ホールも立川流の出演を決める。落語協会しか出さなかった上野鈴本のお客さんたちが「いつも同じ噺家じゃつまらない。人気者を見たい」と末廣亭や浅草演芸ホールに行ってしまう。

 しかし、鈴本のお席亭(寄席の経営者)は、「鈴本には鈴本の伝統がある」と腹を決め、「よし、若手人気真打ちの共演だ」と白鳥、彦いちの2人を交互のトリとして企画興行を打ち出したイマイチお客さんが入らない。それどころか、今まで寄席に出番がなかったため、自分たちだけで客を集めてきた立川流の落語家の面白さを知ったお客さんの口コミを聞いた落語マニアたちも次から次へと末廣亭や浅草演芸ホールへ流れ出す始末。

 もうこれには耐えられない鈴本演芸場のお席亭が「うちの寄席にも出てください」と立川流にとうとう頭を下げる。しかし、上から目線の立川流寄席強化部長の立川キュウイが「それでは寄席の上がりの半分を我々にください」と要求。「さすがにそれは無理です! せめて3分の1に」とお願いするが調子に乗っているキュウイは聞く耳を持たない。その間も鈴本演芸場のお客さんは減るばかり。やむを得ずに要求を飲み、鈴本演芸場にも立川流の人気者が出演することになった。

 鈴本は「上野におかえり寄席」を企画して入場料を初回だけ無料にすることを決定。それを知った浅草演芸ホールは入場料無料の上、手拭いのプレゼントを発表。その2軒の様子をじっと伺っている新宿末廣亭。

 さて、ここに都内寄席戦争が勃発する---。

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 とまあ、NTTドコモがiPhoneを発売する今の状況を想像して落語家らしく例えてみました。言っておくけどフィクションだからね。「へー、立川キュウイ君て偉いんだ」なんて勘違しちゃいけないし、「上野鈴本ってお客さん入ってないのかな?」なんて思っちゃダメだよ。先週、俺、鈴本さんに入っていたけど平日だけど凄くお客さん入ってだからね。鈴本バンザーイ。