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 デジタルテレビ放送はコンテンツの流出を防止するために幾重にもガードされていて写真や音楽のように、記録したファイルを再生機器に書き込むだけで視聴するというわけにはいかない。同一のネットワーク内でなら視聴やダビング可能だったが、外出先で視聴するにはファイル変換、書き込みといった面倒な作業が必要だった。昨年DTCP+という新規格が成立したおかげでインターネット経由で遠くの録画番組を視聴できる環境が整ったが、それに対応する機器が徐々に増えてきた。今回は8月に販売開始されたバッファローのNAS新製品「リンクステーション LS410DX」シリーズをテストする機会があったので、ご紹介しよう。DTCP+に対応したNAS製品で、iPhoneやiPadを使い、外出先で録画番組をチェックできる。

リモートアクセスもできるDTCP+とは

 ネットワークを通じてデジタルコンテンツを再生するために、すでにDTCP-IPという規格があるのはご存知のことだろう。ネットワーク機能付きのテレビやハードディスクレコーダーなどにはこの機能が組み込まれていて、別室から録画番組を見たり、異なる録画機にコンテンツを移動させたりすることができる。移動先、再生機器などは機器ごとの管理情報が埋め込まれ、データを取り出して別の機器で再生することはできないし、ダビングや移動の回数は一定回数に制限されている。

 放送業界の要請などがあり、再生できる範囲は同一のネットワーク内と制限されていたが、いわゆるDTCP+と呼ばれる新規格、DTCP-IP Revision 1.4で外部のネットワークからでも再生できるように改定された。ただし、外部ネットワークから再生させるためには、いったん、録画機器と同じネットワークセグメント内で接続し、あらかじめ再生機器登録をしておかなければならない。この作業が終わっていないと、外部ネットワークからDTCP+対応サーバーに接続しようとしてもその存在すら知ることができないようになっている(図1)。

図1 外出先で視聴するためには、あらかじめLAN内で機器の登録をしておかなければならない。
図1 外出先で視聴するためには、あらかじめLAN内で機器の登録をしておかなければならない。
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 DTCP+に対応した機器は徐々に増えつつあり、パナソニックやソニーのBlu-ray Discディスクレコーダーやテレビにはこの機能が入りつつある。また、パソコンユーザーにはなじみの深いネットワーク接続型のハードディスク、NASにもDTCP+対応機能が入りつつある状況だ。すでにこのコラムでも紹介したソニー・コンピュータエンタテインメントの「nasne」、アイ・オー・データ機器の「RECBOX + REMOTE」などもそうした機器の一種だ。

 過去、nasneと「RECBOX + REMOTE」はレビュー記事を掲載しているので、参考にしてほしい。ただし、これら機器を紹介した時点ではiOS用の再生ソフトが整っておらず、携帯電話網などのネット経由で外出先から自宅に置いたコンテンツをストリーミング視聴することができなかった。ちょっと残念なタイミングだったが、現在ならリモート視聴もできる。

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