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 「オール・シングズ・D(All Things D=ATD)」と言えば、11年前から始まったテクノロジー会議のことだ。「D」はデジタルを指す。つまり「デジタル系すべてについて」という意味だ。主催は、ウォールストリート・ジャーナル紙。同紙のネームバリューと、会議を率いる有名コラムニストとジャーナリストのおかげで、ATDは近年ではピカイチの会議となっていた。

 そのATDがウォールストリート・ジャーナル紙を離れるのだという。

ビル・ゲイツとスティーブ・ジョブズの会談実現

 ATDは、米国だけでなく世界のテクノロジー企業トップが登壇する会議として知られている。マイクロソフトのビル・ゲイツとアップルのスティーブ・ジョブズが壇上で会談したのも、2007年に開かれたこの会議だった。

 ATDは、現在では会議だけでなく、同紙のテクノロジー・セクションの中に独自のセクションを持っていた。ウォールストリート・ジャーナルの中にもうひとつ別のブランドがあるといった形で、ATDの数人のチームが取材する記事がフィーチャーされていたのだ。

 このATDを率いてきたのは、テクノロジー・コラムニストとして有名なウォルター・モスバーグと、辣腕ジャーナリストとして知られるキャラ・スウィッシャーだ。今回の分離で、この2人もウォールストリート・ジャーナル紙を2013年いっぱいで離れるらしいが、これも大きなニュースである。

 モスバーグは約40年にわたって同紙に務め、過去20年間は、同紙上で新製品や新アプリなどのレビュー・コラムを担当してきた。同コラムは、丁寧にテクノロジーの機能や使い勝手を評価することで人気を博しており、評価次第で新製品の売れ行きを左右するほどの影響力を持っていたと言っても過言ではない。また、スウィッシャーは男勝りのアグレッシブさで、いくつもの特ダネをものにしてきた人物だ。