iPhoneにはSuicaやEdyとして使えるFeliCaチップが搭載されていない。当然、おサイフケータイとしての機能を持たせることができないので、お店でシャリーンとやりたいiPhoneユーザーは別のケータイを持つか、カード型のEdyに街角で現金入金しなければならなかった。ところが、ちょっと状況が改善。Bluetooth接続になったソニーのNFC/Felicaリーダー「パソリRC-S390」が10月初旬出荷され、その不便の一部が解消された。事前注文しておいたモジュールが届いたので、早速その応用分野と使い心地をレポートしよう。
Bluetooth接続のパソリって何ができる
非接触型の通信チップ、FeliCaはもともと名刺大のカードに埋め込まれ、専用の読み書き機器、例えば交通機関の自動改札などで電子決済のために使われている。このチップを携帯電話に組み込み、ヒモ付けた利用者の携帯口座やクレジットカードなどから入金できるようにシステム化したものがおサイフケータイだ。
入金はコンビニなどに設置されている入金機に現金を投入することでも可能。さらに、パソコンユーザー向けに、FeliCaカードを読み書きする「パソリ」という製品がソニーから発売されていて、これをUSB接続してパソコン側から読み書き指令を出して支払い履歴閲覧や入金操作をすることができた。
ところが、USB接続のパソリで入金操作をするにはWindowsパソコンが必須。Parallels Desktop for MacなどのWindows互換環境をMac上に走らせてWindows用のツールを使えば何とかなるとはいうものの、アップルユーザーはとにかくFeliCaに関しては端に追いやられていた。ましてやiPhoneで操作するなど、夢の夢。
ところが、今回ついにBluetooth接続のNFC/FeliCaリーダーのパソリRC-S390が登場して、その障壁の一部が取り払われた。要するに、iPhoneからも入金処理できるようになった、と言うわけだ。これは楽天Edyアプリで5000円のチャージを完了したところだ(図1)。