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 月に2回は新潟上越市にある実家に帰る。ケーブルテレビの収録がメインだが、地元で頼まれた講演会や落語会などあれば毎週帰ることもある。そんな時の楽しみは、高校時代の友達に車で迎えに来てもらい、一緒に郊外のスーパー銭湯でたっぷり汗を流すことだ。そして、すぐそばにある巨大スーパーで缶チューハイとご当地名物のスル天(干したスルメイカの天ぷら)を買い求め、1人実家でテレビを見ながらごくごくムシャムシャと飲み食べる。もう最高です! えっ? せっかく実家に帰ったんだから、親とご飯食べたり地元の美味しい居酒屋さんで海の幸山の幸を楽しみながら地酒でも飲んだりしたらどうだ! って?

 分かってないなあ。まず親は年寄りなので午後7時前には晩御飯が終わっている。その晩御飯に間に合っても、親というのは子供がいくつになってもうるさいもので「もっとよく噛め」「酒はほどほどにしろ」「ビールに氷を入れるな」などと、あれこれ注意が飛んでくる。俺も我慢しきれず「親父だって酒飲み過ぎじゃねえか」と反論すれば「親に向かって口答えするなあ」と怒鳴られ「分かったよ。もう飯いらねえよ」と自分の部屋に引きこもる。だから、喧嘩しないように最初から自分の部屋で飲めばいいわけですよ。

 また地元の居酒屋に行けば知らない人が「あれ? 三遊亭白鳥じゃない。何してんの?」なんて寄って来る。東京じゃ考えられないけど、上越ケーブルテレビの情報番組を20年もやっているし、パチンコ屋のテレビCMや新潟JAバンクのCMもやってたから、ある程度顔を知られている。この地元限定有名人というのは厄介で、全国的有名人が備え持つオーラが全く無いので、すぐにからまれたりするのだ。先日も地元ローカル線で昼間から酔っ払っている爺さんから「笑点のメンバーでもないのに落語家のふりするんじゃない」と怒鳴られました。だから、そんな危険のある地元ローカル居酒屋には行きたくありません。

 そんな寂しんぼ大好きの俺だけど、地元に戻ると本当に困ることがある。それは車を運転できないことだ。だからスーパー銭湯に行くにも友達の都合次第。親から小言を言われるのも、車を運転できないからどこにも出かけられず家に閉じこもったままだから。もし俺が運転できるなら地元の居酒屋じゃなく山奥の温泉宿できれいなお姉さんと差し向かいでお酒なんか飲みたいね。そうなったらもうどんなにお姉さんにからまれてもいいです。