「キャラ」になぞらえることの、効果と方便…
おなじみとなったスマホ用コミュニケーションツールの「LINE」(筆者の解説記事)。特徴的な機能に「スタンプ」がある。スタンプのキャラクター(アニメの主人公やコーポレート・キャラクターなど)が感情を伝える。かわいいキャラになりきって「ごめんね」などと送れば、角が立たず、謝る気持ちを伝えやすそうだ。
キャラになぞらえていろいろ感情的なことを伝えるわけで、これはズルいと言えばズルい。本来なら生で伝えなければいけないメッセージを、スタンプでオブラートに包むような感じで、キャラの力を借りて伝えるのである。だが老いも若きも、スタンプを高度に使い分けるようになっている。
ズルいと言ったが、「方便」とも言える。キャラに「乗っかる」ことで、人間関係のスムーズさを壊さないように、ワンクッション置いてメッセージを伝え合える。これが本当に人間関係なのかというと、大いにはうなずけない部分もあるが、「それなりにそれなりなオツキアイ」をするのには、結構有効だったりすることもある。
キャラに乗せてメッセージを伝えるのは、直接伝えた場合のトゲトゲしさやリアルさなどを柔らかくフィルタリングして、優しく伝えられる。逆に、キャラによっては過激な持ち味でさらにトゲトゲしさを加えて伝えることも可能だったりする。やはり「方便」として割り切って使うと効果的な場合もある。