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 毎度のスマホである。

 この場合の毎度は、日常において「まいどー」とスマホがサザエさんに出てくる酒屋の三河屋さんのように、ときには着信音だったりバイブでポケットだったりと我々のを訪ねてくる。

 僕の場合、すぐに対応しなければいけないものも時にはあるが、たいていは即返事というものでもない。それどころかメールで結構多いのが、どこそこの本をオススメされたり、新製品の案内がきたりというもの。その都度、見ていたらキリがない。

 スマホの画面を見るのは、もぉ半ば習慣化しているので、ちょっとでも手が空くとこっちから確認したりする始末。これでいいのか?

 最近、ニュースで知ったのだが、あるレストランでは、スマホを入店するときに小さな籠にいれる「サービス?」があるそうだ。確かに夕飯などでゆっくりしたいときに、テーブルの向かい側でチラホラとスマホを見たり、はたまたテーブルの上にスマホなど置かれたら、あまりいい気持ちはしない。もちろん緊急を要するお仕事の人は例外である。

 このレストランのサービス? は面白いと思い、いろいろ調べてみると、やはりそういう動きが静かに広まりつつあるようだ。

 とある記事で読んだのだがアメリカのファッション誌のグループで流行しているのが、レストランで電話をみんなで置いて、最初にスマホを取った人が勘定を払うという「電話の山」という遊び。これまた興味深い。楽しそうでもある。

 また某ファッションデザイナーは、寝室にスマホを持ち込まないことに決めたという。実は、こういうジャンルの人がやっているのがいい。どうにも「○○禁止!」という文言は好きではない。レストランでも、パーティでも「スマホ禁止!!」なんて言われると、なんだか盛り上がりに欠けてしまう気になるが、「みんなで集まっている時にスマホをずっといじっていたりするのは、あんまりおしゃれじゃないよね」とか「こういうときにスマホ使わないのって品があるね」という風になった方がいい気がする。

 噺家の楽屋だと、「今、師匠が話してんだから、液晶ナデナデするような野暮はよそうよ」ということである(まぁこういう人は、野暮というより翌日破門ということになるが……トホホ)。

 余談だが、我々の打ち上げで、以前、スマホ問題があった。楽屋や打ち上げで話していることは、その場だからしゃべっていることも多い。そこに参加した人が、「うわ~○○で○○さんがこんなこと言ってるナウ」とか筒抜けに流していたことが、あちこちで勃発したことがあった。

 それもその人の「品」とか「了見」ということになる。禁止にしても面白くない。まぁ、それから我々も打ち上げでは参加者を見てしゃべることを覚えたとか(遅いのだが……)。

 ライブでも「今、言ったことを、ネットとかツイッターで書かないで下さいよ!」なんてマクラで言う噺家も増えている。あとはお客様の良識に任していているが、今を楽しむライブのお客様においては、その辺りのバランスを心得ている人は多くてありがたい。