先日、米サンディエゴで開かれた「インテル・キャピタル・グローバルサミット」に行ってきた。このイベントは、インテルの投資部門であるインテル・キャピタルの投資先のスタートアップ企業やインテルの顧客企業、グローバル企業のトップなどが一堂に集まるもの。2日間にわたって開催する講演、会議、プレゼンテーション、ミーティングなどで構成されている。今年の参加者は約1100人だった。
このサミットは今年で14回目。インテル・キャピタルは1991年以来、本業である半導体製造の既存市場を盛り上げつつ、新しい市場を育成するという目的で、54カ国で1322社ものスタートアップ企業に投資してきた。累計投資額は110億ドルに上る。
今回のイベントでも、日本に主要な拠点を置くクラウド・ファイルサービスのウェイズジャパン(東京都新宿区、サービス名はファイルフォース)と、クラウド・ストレージソフトのクラウディアン(東京都渋谷区)を含む16社への合計6500万ドルの投資実行が発表された。
投資を受けることで資金以上の恩恵
このイベントで感心したことが2つある。
1つは、インテルの投資を受けると、瞬く間にとても恵まれた環境に組み込まれるのだということ。インテル・キャピタルは全世界に26カ国に拠点を持ち、そこに何人ずつかの投資担当者がいる。そうした地域別、国別の投資と並行して、技術分野別の担当者もいる。まず彼・彼女らが有益なアドバイスをくれるだろう。
インテルのネットワークも強大だ。インテル・キャピタルは、インテルの各事業部の構造を反映したような組織になっていて、インテル自体の事業とのつながりが深い。このルートをたどれば、インテルの顧客や関連企業の窓口へとスムーズにつながるわけだ。スタートアップ企業が苦労しがちな営業基盤の確立に関して、インテル・キャピタルの投資先なら、始める前から土台がかさ上げされているようなものだろう。
さらにこのグローバルサミット自体が集中講義と集中ミーティングの場を提供している。ここでは、各地域や各技術部門の投資担当者が、最近のトレンドや今後注目すべき動きなどについてパネルディスカッションをしたり、スタートアップの心得についてハーバード・ビジネススクールの教授が講義したりする。