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 韓国国会は今、オンラインゲームを麻薬中毒やギャンブル中毒、アルコール中毒と同じく深刻な“中毒”を引き起こすので厳しく取り締まるべきだという趣旨の法律案を検討している。これは「中毒予防管理及び治療に関する法律」で、通称「4大中毒法」と呼ばれている。この法が制定されると、ゲーム産業は売上高の1%程度を「中毒治癒負担金」として国に支払わなければならない。

 韓国政府コンテンツ振興院が2013年10月末発行した「2013大韓民国ゲーム白書」によると、韓国の2012年ゲーム市場規模は約8900億円。26億3891万ドル分を輸出した。韓国のコンテンツ輸出の実に67%をゲームが占めている。K-POPよりも韓国産ゲームの方が海外で売れているわけだ。自動車やデジタル機器の輸出に負けないほど大きく成長しているのがゲーム産業の輸出である。

 コンテンツ産業を育成するうえでゲーム産業の活性化は欠かせない。韓国のICT政策省庁である未来創造科学部と文化体育観光部(部は省)は、ゲーム産業をK-POP、映画、アニメ、ミュージカルと並んで5大重点コンテンツ産業として育成するという計画を発表したばかりだった。

ゲーム産業振興の半面で規制論が台頭

 しかし、与党のセヌリ党は未来創造科学部と文化体育観光部の政策をひっくり返して、ゲームを「アルコール中毒や麻薬中毒のような社会悪を引き起こす」ということで取り締まろうとしている。セヌリ党はこれといった科学的根拠を示さないままゲーム中毒とアルコール中毒、麻薬中毒は同じと主張しているため、野党の民主統合党とゲーム産業は反発している。

 「育成する」と言ったかと思えば「規制する」と言い始めたりして、足並みのそろわない政府の姿勢にゲーム産業は困惑している。セヌリ党が規制強化しようとしていることが分かってから、ゲーム会社の株価は軒並み下落した。