グーグルのスマートフォン「Nexus 5」の販売が開始されたとき、筆者は米国にいました。米国版と日本版(というよりも「Rest of the World」、つまり米国外の各国向けで頭文字を取ってRoW版)があって、そのまま米国で発注すれば米国版を購入可能でした。米国版とRow版の違いは対応周波数で、どうするか悩んだのですが、今回は、日本国内での利用を考えて国内で販売されているRoW版を買うことにしました。
デザインはNexus 7(2013)に似ている
Nexus 5は、4.7型の液晶を搭載していたNexus 4の後継です。ディスプレイは4.95型で、その差はわずかしかありません。しかし、それ以外のCPUや解像度などのスペックでは、変更点が比較的多くあります(表)。
Nexus 5は、全体的な印象が、今年出たNexus 7(2013)にかなり似ています。グーグルとして統一したデザインを指定したということなのでしょう。パッケージのデザインも同じだし、背面のロゴや質感がそっくりです。側面の部分は少し違いますが、背面の周囲が前面に向かってカーブしているあたりもそっくりです。もっとも、正面の部分は似てるといえば似ていますが、ディスプレイの電源をオフにすると黒一色なので、どの機種でも似たような印象になるので、似てない方が不思議になるんでしょうが……。
ただ、側面のキー(Android端末では、物理的なスイッチをキーと呼びます)の配置は、右側(本体正面から見て)にロック/スリープキー、左側にボリュームキーと、Nexus 7とはちょっと配置が違います。5型(正確には4.95型)のNexus 5は、片手でしっかりと持つことができるため、両側にある方が操作がしやすいからでしょう。これに対して7型のNexus 7では、かろうじて親指と人差し指が側面にかかるものの、余裕のない状態なので、人差し指で両方を操作できた方が便利だからだと思われます。
グーグルの説明によると、Nexus 5のキーはセラミックとのことですが、確かに固い感触があり、押してみるとプラスチックのようにたわむ感じがありません。液晶面は、強化ガラス(米コーニングのゴリラガラス3)になっていて、そのまま使ってもガラス面を傷つけるようなことはなさそうですが、側面や背面はプラスチック系素材のようなので、カバーなどをした方がいいかもしれません。
側面はまっすぐですが、上部と下部には大きなカーブがつけられていて、全体的には、すこしソフトな印象があります。シュルエットという点では、前作のNexus 4(製造は同じLGエレクトロニクス)と共通点があるといえます。
米国で販売されているNexus 5とその他の国で販売されているNexus 5の違いは、対応周波数です。
表は、Nexus 5の米国版とRoW版のLTEとW-CDMAの周波数対応の表です。表の左側は米国版で色は緑、右側はRoW版で色はオレンジ、両者が共通で持っているバンド(周波数帯)は青に色分けしてあります。表の右端の列は、日本での割り当てで事業者を表すA(au)、D(ドコモ)、E(イー・モバイル)、S(ソフトバンクモバイル)、U(UQネットワーク)です。LTEの部分を見ると、auの800MHz帯はカバーされていませんが、ドコモやイー・モバイルが使う1800MHz帯、ソフトバンクの使う900MHz帯はカバーされています。米国版はCDMA2000にも対応しています。