そろそろコンポの立場が危うくなってきた今日このごろである。みなさんは部屋で音楽を聴くときに音を出す装置は何をお使いだろうか。音響はこだわってしまえば青天井。しかしスマートフォンに入れる音楽なら容量の関係で音源をそれなりに圧縮したものにすることが多い(いわゆる「ロスレス」にしていない)ため、音質と手軽さのほどよいバランスを探して楽しんでもいいのではないかと思う。
部屋にいるなら移動中のようにイヤホンで音楽再生する必要はない。かといって、スマートフォンから直接音を出すとそれなりの音質にしかならない。ちょっとしたスピーカーがあると自宅や旅行で音楽をいい音で聴けるようになる。
近年音楽ファンに回帰しつつある。筆者は中学から洋楽好きだったものの、しばらくCDを買う機会から遠ざかっていた。歌謡番組が減ったとか、CDを売るような店舗が身近でなくなったからという気もする。しかしなぜか戻ってきた。音楽が聴きたくなってきたのかもしれない。徐々にCDを買う機会が増えている。
音楽ライフに変化が出たのは今年の夏だった。旅行先で音楽を楽しみたいと思い、持ち運べるスピーカーを物色した。スマートフォンに保存した曲を再生できて、持ち運べるようなコンパクトなものである。iPhoneの「Lightningコネクタ」対応のドックがあるものや、BluetoothやWi-Fiで接続できるようなものがある。当初は無線接続できるものを狙い、コンパクトさと値段で比較するつもりだった。
ところが、結論からするとドック接続型にしてしまった(SONY SRS-GC11IP iPod/iPhone用ドックスピーカー)。クロックラジオとかアクティブスピーカーと呼ばれるもの。時計とラジオが内蔵されたスピーカーで、上部にLightningコネクタのドックがありiPhoneの音楽も再生できるものだ。
本来の趣旨とは違う製品にほれてしまった。理由はいくつかある。まず本来の目的であるスマートフォンの曲を再生するという最低条件は満たしている。ACアダプターを必要とするため持ち運びには不便であるものの、逆にiPhoneを接続している間はiPhoneの充電ができる。これが決定打だった。さらにラジオも聴ける。筆者はラジオも大好き。所有していない曲も聴ける。ニュースなど情報収集にも使える。
充電機能について事情を補足しておこう。これを購入した当時はまだiPhone 5を使用していた。それまでに使っていたiPhoneの「Dockコネクタ」用ケーブルは何本かあったのだが、5からiPhoneに搭載されたLightningケーブルは、iPhoneのパッケージに同こんされていた1本しかなかった。変換アダプターを購入したものの、ケースがじゃましてうまくDockコネクタ用ケーブルが挿さらず、違うものを買い換える意欲も失っていた。
問題は充電だった。それまではiPhoneを買い換えるたびにケーブルが増えたため充電できる場所が複数あり、パソコンにつなげて使う充電とデータ同期用のケーブル、コンセントに直接つながる夜間充電用のケーブルがあった。しかしケーブル1本になると夜間充電用がなく、バッテリーが少ないまま外出することもあった。
このスピーカーなら部屋で音楽が楽しめるし夜間に充電ができる! というところにほれた。ついでに寝室にあるラジカセをこれに置き換えられて、寝室のラジカセは故障してしまった別のところに置いていたラジカセと交換できるという玉突き人事も可能となり、個人的には都合がよかった。本来の計画からはかなり離れてしまったものの、旅行に持ち運べるほどのコンパクトさもかろうじてある(ここは微妙なところ)。
さらにこのスピーカーなら旅行よりも普段使いに効果を発揮してくれている。なにせ充電してくれて、いい音も出してくれる。前にICレコーダーで録音したインタビューの音声をiPhoneに入れて、このスピーカーで再生した。ICレコーダーから直接聞くより音がよく、テープ起こしがやりやすかった。ライターという職業の特殊事情ですみません。iPhoneだとスクラブ(再生位置の移動)が難しくなるという難点があるが、アクティブスピーカーの再生と一時停止ボタンはとても操作性がいい。
普段はドックにiPhoneを乗せて曲を再生している。筆者はiPhoneに入れてある曲が3000曲を超えているので、特定のジャンルの曲をランダム再生するGeniusを使えばラジオを聴いているような感覚である。とはいえ、多すぎるのも問題だ。容量にして13GBもある。アプリや写真もあるので、iPhoneを選ぶときには最低でも32GBにしなくてはならない。それでもぎりぎりであるが。
音楽だけ外に出すことも考えた。例えば音楽はiPodやWALKMANに入れるということだ。しかし長く使いたいなら最低でも32GBにしておかないと容量オーバーの懸念がある。WALKMANの「歌詞ピタ」機能なんてすごく興味あるのだが、32GBとなると大型のサイズになってしまう(最近見たら小型のSシリーズに32GBを発見して感激したが、肝心のピンクがない。涙)。とはいえ、そもそも端末を増やしたくないので現段階ではiPhoneでなんとかしのいでいる。