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 中高年世代が快適に使えるスマートフォンを紹介する、この連載コラム。久しぶりとなりましたが、「これはなかなか良いのでは!?」と思える端末に出会えましたので、紹介したいと思います。KDDI(au)が11月23日に発売する「isai LGL22」です。

LGとKDDIが対等な関係で共同開発

 isaiは、韓国LGエレクトロニクスとauが共同開発したモデルです。auは、これまでにも「INFOBAR」などのオリジナルブランドのデザイン端末をリリースし、台湾HTCと共同開発した「HTC J」をヒットさせるなど、メーカーとのコラボレーションには実績のあるキャリアです。今回のisaiも、その流れで生まれた製品と捉えて差し支えないでしょう。

11月20日に開催されたCM発表会には、LGエレクトロニクス・ジャパンのリ・ギュホン社長(左)とKDDIの田中孝司社長(左)が仲良く登壇。CMキャラクターは女優の川口春奈が務める。
11月20日に開催されたCM発表会には、LGエレクトロニクス・ジャパンのリ・ギュホン社長(左)とKDDIの田中孝司社長(左)が仲良く登壇。CMキャラクターは女優の川口春奈が務める。
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 ちなみにisaiの語源は「異才」。他のスマートフォンとは異なる体験ができることをセールスポイントにしています。とはいえ、デザインが奇抜なわけではなく、取り立てて珍しい機能が搭載されているわけでもありません。すでにスマートフォンを使っている人には「どこが異才なの?」と感じられるかもしれません。使い心地としては、むしろベーシックな印象を受けます。しかし、デザインや操作性の細かい部分に目を向けると、「なるほどなぁ~」と思える、さまざまなこだわりが感じられる端末です。それもそのはずで、このisaiは、一部のユーザー層に訴求するモデルとして開発したのではなく、年齢や性別を問わず、幅広いユーザー層に向けて開発されたモデルとのことです。

 isaiの開発経緯や製品特徴などを紹介する「isaiプレスカンファレンス」というイベントが11月5日に韓国ソウルで開催され、筆者も取材してきました。その際に聞いた話では、「isai」というブランド名は開発の最終段階で決まったとのこと。まずは、誰もが必要とする普遍的な「水」というコンセプトで開発が始まったそうです。水色や青を含むカラーバリエーションが採用され、ロック画面に水面のような背景が表示されるのは、そのコンセプトによるものです。「isai」という新しいブランドの第1弾として、普遍的な価値を持つスマートフォン「LGL22」が開発された、と捉えるのが正解です。

ソウルで開催されたプレスカンファレンスでプレゼンテーションを行った、LGエレクトロニクス・ジャパン プロダクトチームのキム・ヒチョル氏。
ソウルで開催されたプレスカンファレンスでプレゼンテーションを行った、LGエレクトロニクス・ジャパン プロダクトチームのキム・ヒチョル氏。
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プレスカンファレスでは、LGとauの開発者たちによる座談会も行われ、両社がお互いに刺激を受けつつ開発が進められた話などが明かされた。
プレスカンファレスでは、LGとauの開発者たちによる座談会も行われ、両社がお互いに刺激を受けつつ開発が進められた話などが明かされた。
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日本のケータイデザインの第一人者ともいえる小牟田啓博氏もプロジェクトに参加。防水に対応させつつ外観的な弊害を生じさせないために、ミリ単位の設計にまでこだわったことなどを話していた。
日本のケータイデザインの第一人者ともいえる小牟田啓博氏もプロジェクトに参加。防水に対応させつつ外観的な弊害を生じさせないために、ミリ単位の設計にまでこだわったことなどを話していた。
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ロック画面を触れると、水の波紋のようなエフェクトが表示。このエフェクトは変更可能。
ロック画面を触れると、水の波紋のようなエフェクトが表示。このエフェクトは変更可能。
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ブルー、アクア、ホワイト、ブラックの4色を発売。暖色系を含まない多色展開は異例だ。
ブルー、アクア、ホワイト、ブラックの4色を発売。暖色系を含まない多色展開は異例だ。
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 LGは、海外メーカーながら日本市場のニーズに合わせた防水対応モデルを作るなど、従来から日本向けのカスタマイズに力を入れてきたメーカーです。今回は、そこから一歩進んで、KDDIとの共同開発により、より細かいニーズに対応させることを目指したようです。きょう体のデザインだけでも、8カ月にもわたり、両社がやり取りを繰り返し、考え方の違いから時には衝突しつつも、両社が納得できる形にたどりついたとのこと。INFOBARはどちらかといえばキャリア主導で、HTC Jはどちらかといえばメーカー主導で開発された端末と言えるでしょう。一方でisaiはLGとauが対等な関係でコラボレートしたことが特徴と言えます。筆者の個人的な感想としては、そのコラボレーションは成功したように思います。世界シェア第3位のLGが持つ技術を生かしつつ、日本のユーザーに適した機能や操作性を違和感なく融合した、という印象を受けます。