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 ついに、ついに! 日本のアップルが正式に、待ちに待っていたSIMフリー版のiPhoneを販売開始した。SIMフリーということはさまざまな携帯会社がさまざまなプランをセットして発行したSIMを自由(フリー)に挿し替えて使えるということだ。ソフトバンクモバイルの電波が来ていないところではNTTドコモやKDDI(au)のSIMに挿し替えて使う。海外に出たときは現地の電話会社が発行しているSIMを挿す。こうすれば、極めて高額になる国際データローミングを使わずに、現地の安い利用料で思う存分iPhoneが活用できる……はずだった。しかし、現実はまったくフリーと言えないじゃん! これは「挿して電源入れれば使える」アップルの基本コンセプトに大きく外れる。

長らく期待して待っていたわけ

 SIMとは契約通信事業者との通信プラン情報などを収めたメモリーチップで、これを挿すと、チップに設定された通信会社の回線に接続され、事前に契約したプランで通信できるという仕組みだ。これまで日本では携帯電話機器とSIMは販売時点でひも付けされ、場所によって他社の回線を使いたい時に挿し替えて使うことはできなかった。この状態を「SIMロック」という。

 iPhoneの場合、キャリアに縛られていてはユーザーの利便性を損なうとして、多くの国でSIMロックを解除した、いわゆるSIMフリー端末を販売してきた。故スティーブ・ジョブズ氏はキャリアが端末の設計・販売を独占する仕組みを打ち破りiPhoneを生み出した。当然、契約したキャリアに利用者を縛りつけているSIMロックの仕組みは利用者の自由を奪うものだとして、基本的にSIMフリー端末を推進していた。

 しかし、日本ではキャリアの抵抗が強く、SIMフリー端末は販売されてこなかった。せっかく多大な販売努力をかけて端末を販売したとしても、より高速で安いキャリアが登場して顧客を根こそぎ奪われてしまってはビジネスにならない、とスティーブ・ジョブズ氏を説得し、長らくSIMロック状態が続いていた。多額の販売奨励金を投じ、「端末代0円」と言った世界でも珍しい販売形態を提示して訴求した結果、日本だけは特別、となってしまったという。