2013年も残りあとわずかとなり、韓国でも各分野で1年を振り返るイベントが行われている。アプリケーション業界でも、今年公開されたアプリで最も優秀な製品を選定する「スマートアプリアワード」の授賞式があった。韓国のアプリ開発専門家、2000人がデザインやユーザーインタフェース、技術、コンテンツ、サービスを評価し、革新的で優秀な製品を選ぶ。後援しているのは、韓国のICT政策を担当する省庁の未来創造科学部(部は省に当たる)だ。受賞すると、ダウンロードページに大々的に書き込んで宣伝するほど、自慢になるアワードでもある。
「総合大賞」に選ばれたアプリは、KIA自動車の「KIA Motion」だった。写真と音楽を選択するだけで簡単に動画を制作でき、SNSで共有もできる。しかし韓国内では、「HONDAの動画制作アプリ『road movies』をそっくり真似たのが大賞だなんて」と選定に問題があるのではないかと疑問を投げかけるユーザーも少なくなく、「スマートアプリアワード」の信頼性が揺らいでしまった。
一方で、部門別大賞や優秀賞を受賞したアプリには斬新な製品が多く、13年を代表できるアプリとして納得できた。
例えば、「マーケティングイノベーション大賞」を取った韓国・新世界デパートのアプリは、AR(拡張現実)を利用してオンラインとオフラインをつなげるツールである。位置情報を利用してユーザーのいる場所から近い店舗のセール情報を提供し、デパートのARコーナーでアプリを起動すると、スマートフォンの画面にその都度、違う商品が登場し、画面の商品を割引価格で購入できる。
冬はブーツを履くことが多いが、気に入った靴があっても履き替えるのが面倒だからと買わずに帰る客をつかまえるため、スマホで自分の足を撮影し、気に入った靴にカメラを当てて合成する「バーチャル試着」の機能が利用できる。衣装はスマホではなく、デパート内にあるバーチャル試着専用のブースを利用するようになっている。新世界デパートによると、バーチャル試着やバーチャルクーポンで楽しくショッピングができると口コミで広がり、アプリ公開から4カ月で40万人以上がダウンロードしたという。