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 米大手デパートチェーンの「ターゲット」(チェーンの名称)を標的としたクレジットカード情報漏洩事件は、本当にひどい。2013年秋の感謝祭(サンクスギビング)からクリスマス前までの期間に起きたハッキング事件で、店頭でクレジットカードやデビットカードを利用した買物客のカード情報が4000万人分漏れたということである。その後、名前や住所、電話番号、メールアドレスなどの個人情報7000万人分も盗まれていたことが分かった。

 そして最近になって、ターゲットとは別の高級デパートである「ニーマン・マーカス」も同様のハッキング被害に遭っていて、こちらでも4000万人分の情報が盗まれていたようだ。セキュリティの専門家によると、同じようにやられたチェーンがまだ3件ほどあるらしく、被害はまだまだ広がりそうだ。クリスマス前の最大のショッピングシーズンを“狙い撃ち”しての犯罪である。

リアル店舗で起きた情報漏洩

 驚いたのは、ターゲットの漏洩事件は現実の店舗で起こったことだ。ハッキングというと、オンラインショッピングなどインターネット上で起こると思われがちだ。だが一連の事件ではレジでカードをスライドさせる読み取り機からの情報が盗まれたという。

 こんなことが起こると、カードで買物をするのが不安になってくる。私自身もターゲットとニーマン・マーカスの両方で買い物をすることがある。このクリスマスシーズンは「混雑したところに行くのは嫌だな」と思って、幸いにも難を逃れた(はずだ)。もし行っていたら、必ずカードで支払いをしていただろう。

 この2つのチェーンに関して言えば、カードに特徴がある。まず、ターゲット社は自社のロイヤルティーカード兼クレジットカードやデビットカードを発行していて、独自の特典が多い。買い物はいつも5%引きになるし、オンラインでショッピングをすると配送料が無料になったりもする。デパートといっても、ターゲットは洗剤などの日用品も多く扱っているので、この特典はありがたい。まさに「庶民の味方」である。