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山内:学校の先生方が「家庭学習が重要だ」とおっしゃったので、そこにチャンスがあるのではと思われたわけですね。先生方から「家庭学習用のソフトも作ってくださいよ」と言われたりもしたんですか?

東京大学大学院情報学環准教授の山内祐平氏
東京大学大学院情報学環准教授の山内祐平氏
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寺尾:いえ、そこまで直接的なご要望ではありません。先生方は、このところ学校で学力の格差が顕著になってきているので、そこを解消したい、という思いをお持ちです。それをするには家庭学習が大切だ、という話が出てきたという感じです。

山内:それは重要なポイントですね。先生と一緒にソフトを作る中で、学力の格差の問題に気付いて、家庭学習というシーズを見つけられた、ということですね。

 とはいえ、学校向けと家庭向けではだいぶ違いがありますよね。B2BとB2Cの違いですから。教育業界ではジャストスマイルは有名で、もちろん私も知っていましたが、それでもスマイルゼミの登場は驚きでした。だって、いきなり、言ってみればベネッセさんのようなことを始められたわけですから(笑)。

 学校ではなく、直接家庭に届けるものを作るということは、かなり大変だったのではないでしょうか。

寺尾:そうですね。ただ、元々一太郎はコンシューマ向けのソフトですから、B2Cの経験はありました。またジャストスマイルも、家庭で使いたいというご要望があって、量販店でも売っています。そんなわけで、全くのゼロから始めた、というわけでもないんです。

 とはいえ、スマイルゼミは流通会社や販売代理店を通さない、直販のモデルの商品です。当社に直接お申し込みいただくというものなので、いかにお客様にスマイルゼミの情報を届けて入会してもらうか、というのはいろいろ試行錯誤して、さまざまな施策に取り組んでいるところです。タブレットなのでサンプルをお届けするわけにもいかないですし。

ずいぶん前から構想していた

山内:なるほど。ちなみに、スマイルゼミの企画がスタートしたのはいつごろですか。

寺尾:構想は、ずいぶん前からありました。先生方から常日頃、家庭学習に使える良い教材がないかというご意見をうかがっていたので、社内ではずっと検討していました。実際に開発メンバーが付いたのは、もっと後のことです。構想を固めるには時間がかかりましたが、そこから製品化に向けては非常にスピーディーに進みました。

山内:そこから、実際のスマイルゼミになるまでに、試行錯誤があったのではないかと思うのですが。構想ではこう考えていたけれど、実際に作ってみたら思ったようにいかなかった、とかいうことはありましたか?