日本にもよくあるようにシリコンバレーにも、有名な兄弟や有名な家族、いわゆる“名家”の人々がいる。家族の絆でビジネスを拡大し、時には名声も利用するという関係だ。
よく知られているのは、フェイスブック(Facebook)CEOマーク・ザッカーバーグの2歳年上の姉、ランディ・ザッカーバーグだ。彼女は、まだフェイスブックの社員が20数人しかいなかった頃に、弟の勧めで入社した。それまではニューヨークの広告代理店で仕事をしていたという。弟は、航空券まで送ってきたらしい。
ランディ・ザッカーバーグは派手好きのようだ。「クラシックな人生がいいとは思うけれど、そこにラスベガスっぽいきらびやかさが欲しいわ」というのが、彼女の信条。あるパーティーに行った際に彼女がステージ上で歌うのを見たのだが、立派な度胸の持ち主で、ちょっとシャイな弟とは大違いだった。小さい頃から家でティナ・ターナーらの曲を大声で歌い上げていたらしい。
彼女はフェイスブックで数年、スポークスパーソンなどを務めた後に退社し、現在はプロダクション会社を経営している。テレビや映画、ビデオ制作を行っているようである。
ウォジスキ家はグーグルと深い絆
他に有名な家族といえば、何と言ってもウォジスキ家だろう。父親のスタンリー・ウォジスキはスタンフォード大学の名誉教授。かつて物理学部の学部長を務めていた。母は元ジャーナリストで、現在は教育者である。
さらに注目すべきは2人の娘だ。
姉のスーザン・ウォジスキはグーグルの広告部門およびコマース担当の副社長だったが、このたびユーチューブ(YouTube)のトップに任命された。実はグーグルが創業したのは、このスーザン・ウォジスキの家のガレージである。家のローンの足しにしようと貸し出したところ、後々にすごいことになる会社が店子(たなこ)になったのである。彼女は、ハーバード大学を卒業してUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)でMBA(経営学修士)を取っている。マーケティング担当者として、グーグルの16番目の社員になった。