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 なんでもネットワーク経由で操作するスタイルがあらゆる場面に浸透してきた。iPhoneのカラーホイールを回すと部屋の照明色が変わる、腕に巻くとiPhoneに健康管理情報が記録される――など、いちいちケーブルを挿さずにすべて完結する事例が増えてきているのをご存じだろうか。プリンター/スキャナーでも事情は同じ。しかし、その簡便性がうまく生かされていない例がとても多く、せっかくの優秀製品のメリットが台無しになっている。惜しいなあ。まあ、おかげさまで、私のような指南役にお鉢が回ってくるということで。

まっさらなパソコンでは印刷できない、当たり前だけど

 新しいプリンターの操作画面はタッチパネルになっていてとても分かりやすく使いやすい、という記事「エプソンのプリンター複合機。iOSでスキャナーなども簡単に使えてイイネ!」を以前書いた。この機種「EP-976A3」のウリである、コンパクトな筐体なのにA3印刷ができる、というのも大いに気に入っているところだが、初期設定の段階から実際の利用時まで、一切ケーブルを接続しなくてもよいというネットワーク・ネイティブな作りもいい。しかし、そこで、ホンの少しだけ設計と利用案内とがかみ合わないところがあって、後述するように台無しになっているところがある。

 これは今のパソコンが抱える宿命のようなものかもしれないが、とにかく新しいデバイスを使い始めるにはそれを制御するためのソフトをインストール、あるいは、パソコンそのものの基本設定を修正しなければならない。まあ、それは、のど元過ぎれば、の域を出ないものだが、とにかく時間と労力がかかる面倒な部分だ。それさえ過ぎればあとは簡単。アプリ内の指示に従って行けばさまざまな新機能が楽しめる。

 iPhoneやiPad、Android端末からプリンターに(無線で)直結して印刷できるのはもちろん、LAN内の無線アクセスポイント経由で印刷、メール送信による印刷、Googleクラウドプリントという新しいクラウド経由の遠隔印刷など、モバイル環境にあっても実にさまざまな印刷テクを楽しめるので使いでがある(図1)。

図1 iOSデバイスのアプリはAirPrint対応のプリンターに印刷することができる。OS標準装備のプリント機能で印刷範囲、用紙選択などができないので、時に不満が残る。
図1 iOSデバイスのアプリはAirPrint対応のプリンターに印刷することができる。OS標準装備のプリント機能で印刷範囲、用紙選択などができないので、時に不満が残る。
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