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 先週は、ソニーがPCビジネス部門を売却して撤退するというニュースで持ちきりでした。昔、勤めていた会社のことでもあるし、VAIOが立ち上がる前に退社したので、VAIOにはなにも関わっていませんが、NEWSやQuarter L、PalmTopなど、ソニーのコンピュータ系ビジネスに関わったので、あまり他人事のようにも思えません。

 このニュースに関して「スマートフォンやタブレットが増えてPCは売れなくなっている」といったような話が出ていますが、実際のところはどうなのでしょうか?

 現在、PCは世界中で年間に3億台近くが出荷されています。 現在の上位5社は、順にレノボ、HP、デル、エイサー、エイスースです(表1)。上位3社で全体の半分以上を出荷している状態で、特に上位2社(レノボとHP)の年間出荷台数の合計は1億台を越えており、世界中に出荷されているPCの1/3は、この2社が供給していることになります。このPCの出荷台数を2008年から四半期単位でまとめたのが図1のグラフです。

表1●パソコンメーカーの出荷台数の比較
米Gartnerのプレスリリースより引用(http://www.gartner.com/newsroom/id/2647517)。*2012年と2013年の第4四半期の出荷台数の比較。
会社名2013年
第4四半期
出荷台数
2013年
第4四半期
マーケットシェア(%)
2012年
第4四半期
出荷台数
2012年
第4四半期
マーケットシェア(%)
出荷台数の
伸び率*
Lenovo14,932,40818.114,005,09315.86.6
HP13,592,60016.414,642,58116.5-7.2
Dell9,773,82111.89,205,89210.46.2
Acer Group6,474,7387.87,703,7528.7-16
ASUS5,399,0006.56,661,4837.5-19
Others32,461,04439.336,509,12341.1-11.1
Total82,633,61010088,727,923100-6.9

図1●PCの出荷台数は、2009年にリーマンショックで大きく落ち込み、2012年までに回復したが2013年に少し落ち込んでいる。しかし、リーマンショック前の台数は上回っており、景気変動の影響なのか、PCという製品が衰退傾向にあるのかは現状判断できない状態。なお、東芝は、2011年第2四半期まではトップ5に入っていたが、現在ではエイスースに取って代わられている。
図1●PCの出荷台数は、2009年にリーマンショックで大きく落ち込み、2012年までに回復したが2013年に少し落ち込んでいる。しかし、リーマンショック前の台数は上回っており、景気変動の影響なのか、PCという製品が衰退傾向にあるのかは現状判断できない状態。なお、東芝は、2011年第2四半期まではトップ5に入っていたが、現在ではエイスースに取って代わられている。
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 ソニーの全世界でのビジネス規模は、年間で数百万台前後と言われており、一千万台には届かず、統計上は、その他に含まれてしまう規模でした。米国の調査会社のランキングでも全世界を対象にしたPCの出荷台数でトップ5に入ったことはありません。