マイクロソフトは韓国南部の釜山地域に10兆ウォン(約1兆円)以上を投資し、2016年に敷地面積33万平方メートルのインターネットデータセンターを建設する計画だという。複数の韓国メディアが報じた。建設に関する指揮は米マイクロソフト本社が、投資はマイクロソフト中国法人が担当するという。
マイクロソフトが韓国にデータセンターを置くのは、何といっても電気代が安いからだ。2012年時点でのOECD加盟国の産業用電気代比較を見ると(国際エネルギー機構調査)、米国67ドル/MWh、カナダ69.9ドル/MWh、オーストラリア60.9ドル/MWh、日本194.3ドル/MWh、韓国は82.4ドル/MWhだった。韓国の電気代は米・カナダ・オーストラリアよりは高いが、日本の半額以下である。
東南アジア域内でも韓国の電気代は格安
韓国電力の調査では、韓国の産業用電気代は台湾やマレーシアよりも安かった。さらに、韓国ではソウル首都圏以外の地方都市にあるデータセンターには「知識サービス産業特例料金」を適用し、電気代を3%割引する制度がある。他国にデータセンターを置くより断然費用を節約できる。
それに釜山地域は韓国第2の大都市なのでIT系の人材を雇いやすい。ソウル首都圏より地価が安いので大規模なデータセンターを建てても地代を抑えられる。
マイクロソフトはすでに香港とシンガポールにデータセンターを持っている。「中国向けサービスを強化するために、電気代が安く地理的に中国と近く、規制もあまりない韓国にデータセンターを新設するようだ」と韓国メディアは分析している。米Facebookも、電気代の安さからアジア向けサービスを担当するデータセンターを韓国に建設することを検討しているという報道がある。