確定申告書提出期限まで、あと2週間。前回、国税庁のホームページでは「推奨環境外」とされている現行のMacで「e-Taxを使った帳票の電子送信」を試みるもあえなく敗退した話を書いた(前回の記事:「今年もMacで確定申告書の電子送信できず!これじゃ電子立国なんてできないはずだ(涙) ――再挑戦の後編あり」)。一部操作手順の間違いなどがあり、壁にぶつかっていたが、再々チャレンジしたところ、その後も山あり谷あり。しかし、何とか電子申請にたどり着いた。申告書の電子送信に取り組みたい方は今回の記事も参考にしてほしい。ただし、大きな努力を払ったものの、得られる電子送信のメリットはほとんどない、のが悲しいところだ。
Mac OS X 10.8までなら推奨環境?
前回、住民基本台帳(住基)カードの暗証番号が認識されず、カードがロックされ、二度ほど市役所窓口を訪れてロック解除をしてもらいチャレンジしたが失敗したところまで御報告した。この件については、筆者の誤認もあり、この壁は乗越えることができた。その後、読者の方から、暗証番号入力の正しい手順に関する御指摘もいただいた(詳しくは後述)。
さらにその先には、「セキュリティリスクを受け入れてまでアプリケーションを動かす」、といった一般ユーザーにはとてもお勧めできない関門が複数あるうえに、電子送信した帳票以外に「現物送付」を求められる書類もあったりして、はたしてこれはメリットがあるのだろうか、と考え込んでいるところだ。
前回も簡単に触れたが、国税庁が用意した税務システム、e-TaxはWeb経由で帳票項目を入力すれば、自動計算してくれて提出用書類ができる「確定申告書作成コーナー」、その作成後の書類を住基カードに付与した公的個人認証電子証明書を使って税務署に電子送付、インターネット経由で納税証明書交付請求、などができる複数の機能を包括したシステムだ。
そのうち、書類だけを作る「確定申告書作成コーナー」は外付けのスマートカードリーダーを使って公的個人認証電子証明書を使うわけではないため、WebブラウザーのSafari、AdobeのReader X、XIが使える環境なら大きな問題なく使える。国税庁の案内サイトにはMacの場合、OS X 10.6とSafari 5.1、OS X 10.7および10.8の場合はSafari 6.0または6.1と限定的に書かれており、現行機種の10.9は使えないことになっている。実際に最新のMac miniでアクセスすると、こんな悲しい画面が出て来る(図1)。